甚だ怪しから

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  • 私の記憶は甚だ怪しいが、改名したあと数年経って改装があったようにおもう。 吉行淳之介『私の東京物語』より引用
  • 總理大臣がおれの手を執つて案内したが、その扱ひが甚だ怪しからんと思つた。 平井肇『狂人日記』より引用
  • ほかのことに関しての記憶は甚だ怪しいが、名前の場合は、まず間違いのないのが通例である。 井上靖『崖(上)』より引用
  • ところがその美術の批評眼といふのがはなはだ怪しい。 薄田泣菫『茶話』より引用
  • しかそれ等の好事家かうずか何処どこまで深く日本を領解して居るかと想像すると甚だ怪しい。 与謝野寛『巴里より』より引用
  • この頃はかなり日本人の移民も増えて来ていたので、アメリカ人も日本人なるものを認識してはいたが、さて世界の政治区画的に日本をどう見ているかというと、これがはなはだ怪しいものであった。 豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(上)』より引用
  • 七兵衛は地上を走ることにはれているけれども、地理学の観念のはなはだ怪しいことは前に述べた通りであります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • この作品を宗教小説から截然せつぜんと切り離して、愛の小説といい切れるかどうかは甚だ怪しい。 サリンジャー/鈴木武樹訳『フラニーとズーイ』より引用
  • そして甚だしからんことには、あるいはこう云う踊り方があるのかも知れませんが、相手の女とぺったり顔を着け合っています。 谷崎潤一郎『痴人の愛』より引用
  • 果たしてそんな中でホロがだれにも見つかっていない湯を見つけることができるのかははなはあやしいところだが、一つだけ確かなことがある。 支倉凍砂『狼と香辛料Ⅵ』より引用
  • つまり、政府としては対露交渉をあくまでも平和裡に解決しようとしている矢先なので、帝国大学の教授が開戦論を唱えるのは甚だ怪しからぬとしているだろうとの予想からだった。 松本清張『小説東京帝国大学(上)』より引用
  • 身体を清潔にしようというより、こうして身体中の毛穴をみな風に吹かれるようにしたら、少しは頭が明快に働きやしないかという甚だ怪しい医学からである。 山田風太郎『戦中派虫けら日記』より引用
  • 山代が過去を埋め得た時、山代のつかさに対する愛がそのままの状態で持続するかどうかは、甚だ怪しいことであった。 井上靖『崖(下)』より引用
  • ところで当節は殊に礼儀の世の中なのだから、するだけのことをしないのは相手を侮辱するのも同然なことで、甚だしからぬ話だ。 大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
  • 七年前の離婚りこんの原因が父親の浮気でなかったら、家裁があのヒトに親権を与えたかははなはだ怪しいものだとハルユキは思ったりもする。 川原礫『アクセル・ワールド 02 -紅の暴風姫-』より引用
  • 第三の条件は甚だしからぬもので、仁義道徳はもとより国体にも背くのであるが、最も大切な条件だというからイヤでも書いておかねばならぬ。 夢野久作『街頭から見た新東京の裏面』より引用
  • 王様かどうかは甚だ怪しいし、予約したことを否認するのだが、この男たちが王様の一行でないと、彼女たちの立つ瀬はない。 吉行淳之介『私の東京物語』より引用
  • 住所録はあったが、結婚けっこんして三年もたつ友人が、旧姓きゅうせいのまま直っていなかったり、いつの住所かはなはあやしいものが多い。 赤川次郎『世界は破滅を待っている』より引用
  • 後世の武士道からみると、甚だ怪しからんことだ。 海音寺潮五郎『赤穂義士』より引用
  • 然ういふ位置にありながら君を媒介するなんて甚だ怪しからぬやうな譯だが、そこには又葢もあれば底もありでね、實は直ぐ那の隣家に中學校の事務員とかをして居る氣障な奴が居るんだ。 徳田秋声『媒介者』より引用