珍らしそうに眺め

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  • 龍馬はかんなくずのちらばった土間を物珍らしそうにながめながら礼を言った。 半村良『産霊山秘録 下の巻』より引用
  • 彼女は彼が今朝、自分を殺そうとして刀をつかんだ両手を珍らしそうに眺めた。 スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』より引用
  • その中を、軽井沢あたりの客と見えて、珍らしそうにながめて行く西洋の婦人もあった。 島崎藤村『千曲川のスケッチ』より引用
  • 「今でもこんなものを持ってゆくのかい」道太はその弁当をもの珍らしそうに眺めていた。 徳田秋声『挿話』より引用
  • 彼らはスペイン人の船に上って珍らしそうに眺めていたが、特にそこに同国人を見出して驚いたのであった。 和辻哲郎『鎖国日本の悲劇 (前編)』より引用
  • 硝子窓の外の植込に雀が鳴いてるのを、珍らしそうに眺めている。 豊島与志雄『慾』より引用
  • 僕は夢から覚めたようにして、彼女の絹の肩掛の藤色の地へ黒い線で薔薇の花の輪廓だけが浮出さしてあるのを、珍らしそうに眺めました。 豊島与志雄『野ざらし』より引用
  • そばへ寄って透してみると、空ではない、樹でもない、何か木の葉が枝端れにひらひら舞うている一枚を、珍らしそうに眺めているのだった。 室生犀星『童子』より引用
  • 芋の葉にとろりとたまった水の中で、それらの小魚が泳ぎ廻るのを、彼は珍らしそうに眺め入った。 豊島与志雄『土地』より引用
  • それから数分後、私達は、まるで私達の間には何事もなかったような顔つきをして、フレンチドアの向うに、芝生がもう大ぶ青くなって、あちらにもこちらにも陽炎かげろうらしいものの立っているのを、一緒になって珍らしそうに眺め出していた。 堀辰雄『風立ちぬ』より引用
  • 依子は促される度に小さく口を開きながら、自分では食べようともせずに、食卓の上に並んでるいろんな皿を、珍らしそうに眺めていた。 豊島与志雄『子を奪う』より引用
  • 町の様子は出て行った時そのままで、寂れた床屋の前を通る時には、そこの肥った禿頭はげあたまの親方が、細い目をみはって、自分の姿を物珍らしそうに眺めた。 徳田秋声『新世帯』より引用
  • いや、足もとの熊笹くまざさを珍らしそうに眺めていますね。 太宰治『小さいアルバム』より引用
  • そしてお島の顔さえみるとにこにこして、座敷へ入って、ごたごた積重ねられてある諸方からの祝の奉書包や目録を物珍らしそうに眺めていた。 徳田秋声『あらくれ』より引用
  • けれど出窓のところに紅雀べにすずめがいたり、垣根のわきに日輪草ひまわりが咲いていたりすると、きっと立止って、珍らしそうに眺めたり、手に触れるものは、きっと触って見るのでした。 竹久夢二『誰が・何時・何処で・何をした』より引用