玉割
全て
名詞
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その謎はすぐに判明した。客から十円の収入があれば、じつに七割五分を楼主に取られてしまい、二割五分だけが玉割と称して娼妓の取り分となる。しかも、その中の一割五分が借金返済のため天引されてしまうので、娼妓は残りのわずか一割だけで生活しなければならないという仕組みなのである。
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このうち七割五分を「花廼家」に入れて、残りの七十五円が弓の取り分になるのだが、その六割は前借りの返済に天引きされるから、手元に残るのはたったの三十円ということになる。食費、住居費、それに月に二度の衛生検査の費用はもちろん店持ちだが、着るものや、化粧品や髪結い代も、風邪を引けば薬代も、玉割と呼ばれるこの中から払わなくてはならない。岩手の母親に足袋一足も送ってやれないどころか、うっかりしていると、朋輩たちに奢ってやった饂飩や今川焼きの立て替えなんかが、いつの間にか蓄まって、借金が嵩むばかりである。
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