狙う
全て
動詞
4,893 の用例
(0.02 秒)
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下瀬は、吉川慎吉の顔を見ていた。
彼は、自分の命を狙っている人間が、ここにいることを知らないだろう。
下瀬のポケットに、二発の弾丸が装填された消音ピストルが、入っていることを、知りはしまい。
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西村京太郎『悪女の舞踏会』より引用
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それに僕は第一世代じゃないから妖素のために狙われることはないんだ。
父さんの方が危険なんだよ。
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縞田理理『霧の日にはラノンが視える4』より引用
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しばらくして、ボールがぼくのところへきたので、かねて心に決めていたとおり彼女にパスした。
ボールはうまく狙った位置へ飛び、彼女はそのボールを少し右へ突いた。
そのとき彼女がぼくを見た。
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佐野良二『闇の力』より引用
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その声を号令に私は走り出した。
銃で狙われていることの意味がその時の私にはわかっていなかったようだ。
とにかく恐ろしかった。
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牧野修『だからドロシー帰っておいで』より引用
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君子が母の自殺に疑いを持ち、夢のような記憶をたどって母の死因をたしかめようと志してから、妙に自分の身近に監視の目が光っているように思われるし、自分の命が危険にさらされているような不安さえ感じられる。
今夜のようなことが三度もあるのはきっと自分の命を狙っているに違いない。
人形の腹から出て来た手紙には、今は、もはや争う必要がなくなりました、この人形は不要になったのです、とある。
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山本禾太郎『抱茗荷の説』より引用
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保存はまあまあだろうが、それに店への手数料を加えて最低でも六千六百万となりゃ、買い手だって二の足を踏むよ。
二、三人は狙っていたはずだが、蓋を開けて見たら入れ札は一枚もなし。
まあ、あれで安心した業者もいるだろうな。
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高橋克彦『春信殺人事件』より引用
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驚いたことに、采女は相手が前嗣とも知らずに命を狙っていたのである。
関白さまのご依頼とあれば、内親王さまの御魂を降ろしても不敬には当たるまい。
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安部龍太郎『戦国秘譚 神々に告ぐ(上)』より引用
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戦後、復員軍人くずれや浮浪者が多数、羽代市へ入り込んで来た。
彼らは戦災をまぬがれた羽代駅を巣にして、市民や旅行者たちを狙った。
このため、市民や旅行者は安心して市内を歩いたり、列車に乗ったりできなくなった。
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森村誠一『野性の証明』より引用
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それでも私は、パンチされないように頭の遠い方、右面を狙って打った。
誉田哲也『武士道セブンティーン』より引用
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もしもあの老婆の言うことが全部真実だとすると、話は少しばかり厄介になってくる。
自分の首は国内の反対勢力のみならず外国にまで狙われているらしい。
そしてその手先となって働いているあの侍女は、何か特殊な集団の一員らしい。
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茅田砂胡『デルフィニア戦記 第05巻 「異郷の煌姫」』より引用
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それにくらべて、腹ビレは腹部の中央にあり、退化してほとんど役に立ちません。
目は二つとも頭頂に並んでいて、上から近づいてくる餌を狙っています。
アンコウの背中には頭の中央から尾に至るまで、何本かのひらひらした長い触手のようなものがあり、これは背ビレの棘がはなればなれになったもので、学問的には「離棘」と言うのだそうで、この離棘を交互にゆらりゆらりと波状に動かして餌となる魚をおびき寄せます。
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平野雅章『熱いが御馳走 食物ことわざ事典II』より引用
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彼女はホッと息をついた。
その一瞬の緊張の弛緩したときを狙うように、背後に人の気配が動いた。
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森村誠一『自選恐怖小説集 人間溶解』より引用
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椅子でもって、戻ってきたところを狙ってあの男の脳天を叩き割るかね。
酒瓶でも叩きつけて気を失わせるかね。
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イネス/池央耿訳『孤独なスキーヤー』より引用
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心臓がはねあがっていた。
すると、おれたちは初めから、あの男に生命を狙われていたことになる。
茂市駅前で警戒心が湧いたのは、あれは本能的な危惧の念からだったのではないか。
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南里征典『田園調布真紅夫人』より引用
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今外に出ていくなんて、写真週刊誌に狙われに行くようなもんじゃない。
ピラニアの泳いでる川に飛び込むようなバカなこと、よく考えつくわね。
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風野潮『僕はアイドル? 02 26』より引用
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そして、この場には民間人が数十人もいる。
危険度で言えば、当然ながら直接狙われている上条達の方が高いだろう。
かと言って、流れ弾に当たるかもしれない彼らを丸っきり無視して良いはずがない。
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鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第06巻』より引用
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その光の催す歌会に集まるのはすべて道真の恨みを買っている者ばかりだ。
怨霊が本当にこの都に出現しているのなら、その席を狙う可能性が強い。
忠行も得心して引き受けたのだが、左大臣の許しを得ぬうちはこうしてこっそりと様子を窺うしかなかった。
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高橋克彦『紅蓮鬼』より引用
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その男は、今では唯一の攻撃の武器であり、防御の武器でもあるジムの広刃剣よりも重そうな武器を持っている。
斧がふたたび振りおろされたが、それは明らかにジムの首を狙ってきた。
それは、最後の瞬間に狙いを変え、ジムの脚に切りつけた。
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ディクスン『ドラゴンの騎士〔上〕』より引用
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ただ一人を狙うためだけに旧約に記された神話上の術式を持ち出すなど。
あなたはこの世界を一掃する気か?
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鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第04巻』より引用
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車の上で雁金刑事から状況の説明をうける。
狙われる大学教授とこれを追う推理作家との関係がほぼ理解できてきた。
古太郎生の十二神将損壊事件や、山の若者が名張川に転落死した事件は土地の新聞で読んだ記憶がある。
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鮎川哲也『戌神はなにを見たか』より引用