物恐ろしい

全て 形容詞
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  • 動物と言つても大きな、物恐ろしいやつでは無く、たより無く小さい。 三好十郎『肌の匂い』より引用
  • 半ば物恐ろしさと半ば好奇心とから、彼はこの異常な病人の生活を注目して見るようになった。 島木健作『癩』より引用
  • 半ば物恐ろしさと半ば好奇心とから、彼はこの異常な病人の生活を注目して見る樣になつた。 島木健作『癩』より引用
  • 冬になるとよく北の山に山火事があって、夜になるとそれが美しくまた物恐ろしい童話詩的な雰囲気ふんいきを田園のやみにみなぎらせるのであった。 寺田寅彦『自由画稿』より引用
  • で、ほとんど黄昏たそがれのように、森林の中は暗く寂しく、物恐ろしくさえ眺められた。 国枝史郎『生死卍巴』より引用
  • 物恐ろしい夜ではないか。 田辺聖子『新源氏物語』より引用
  • 而して暑さに蒸れ切った空気と、夜よりも暗い暗闇とは、物恐ろしい仮睡に総ての人を誘うのである。 有島武郎『かんかん虫』より引用
  • そして長い時間がち、夜もけ、あたりが一層森閑しんかんと物恐ろしく感じられる頃おいに、ふと御堂の後ろの方にかすかな気配がして、虫の音が一時にんだ。 福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
  • しかし瞬間にの一団は、輝かしい日の光の圏内から消えて、暗い寂しい物恐ろしい、森林の奥へ消え込んだ。 国枝史郎『生死卍巴』より引用
  • 川向こうを見ると城の石垣いしがきの上に鬱然うつぜんと茂ったえのきがやみの空に物恐ろしく広がってみぎわの茂みはまっ黒に眠っている。 寺田寅彦『花物語』より引用
  • 芳年よしとしの三十六怪選の勇ましくも物恐ろしい妖怪変化ようかいへんげの絵や、三枚続きの武者絵に、乳母うばや女中に手をかれた坊ちゃんの足は幾度もその前で動かなくなった。 水上滝太郎『山の手の子』より引用
  • 海岸は心騒がしく、山の中は物恐ろしい。 寺田寅彦『写生紀行』より引用
  • そうかと思うと、たとえばはげしい颶風ぐふうがあれている最中に、雨戸を少しあけて、物恐ろしい空いっぱいに樹幹の揺れ動き枝葉のちぎれ飛ぶ光景を見ている時、突然に笑いが込みあげて来る。 寺田寅彦『笑い』より引用
  • 海岸は心騷がしく、山の中は物恐ろしい。 寺田寅彦『写生紀行』より引用
  • この手代に言わせれば、こんなものの欠片かけらを飲んで、不老長寿を得ようとする人という生き物は、妖よりはるかに物恐ろしいという。 畠中恵『しゃばけ』より引用
  • いまだ幼く、いたってものに感じやすかった私は、その物恐ろしい、はりつけの場面の話を聴くたびに、ふるえあがり、声を立てて泣き出したものである。 横溝正史『金田一耕助ファイル07 夜歩く』より引用
  • 故郷の家の傾斜の急な高い茅葺かやぶき屋根から、三尺餘も積んだ雪のかたまりがドーツと轟然ぐわうぜんとした地響を立ててなだれ落ちる物恐ろしい光景が、そして子供が下敷になつた怖ろしい幻影に取つちめられて、無意識に叫び聲をあげた。 嘉村礒多『崖の下』より引用
  • 玉瑛は、真冬の薄い日差しを浴びて、繊細に輝いている累卵錐に目を奪われながら、感嘆とはかけ離れた、物恐ろしい思いにかられていた。 森福都『長安牡丹花異聞』より引用
  • 物恐ろしい戦場が現われる。 寺田寅彦『ある幻想曲の序』より引用