物寂しい

全て 形容詞
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  • 全く物寂しい風と煙であったのだ。 北原白秋『フレップ・トリップ』より引用
  • 物寂しく獨り聳えたる塔のさきに水鳥の群立むらたち來らんをうかゞひて網を張りたるあり。 森鴎外『即興詩人』より引用
  • この辺一帯は物寂しい工業地帯だった。 海野十三『深夜の市長』より引用
  • 防波堤の上から海を見た風景は、H湾の内海とは打って変って、荒涼とした物寂しさだ。 福永武彦『草の花』より引用
  • 物寂しく鳴っては消え、消えては思い出したように鳴く。 小野不由美『屍鬼(上)』より引用
  • 彼女はそのひっそりと凍りついたような人影を物寂しい気持で眺めているうちに、不意に胸が締めつけられるのを覚えた。 チェーホフ・アントン『大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ』より引用
  • マンネンコウや野生のニガヨモギの芳香ほうこうに満ちた物寂しい小さな庭だった。 ドーデ/大久保和郎訳『風車小屋だより』より引用
  • この前の無人駅よりもよっぽど人がいなくて物寂しい。 西尾維新『ニンギョウがニンギョウ』より引用
  • が、その表情、その物ごしには何處かに物寂しい影が差してゐるやうに思はれるのであつた。 南部修太郎『霧の夜に』より引用
  • 前と左右は物寂しい荒野で、そうして背後うしろ岩畳いわだたみを隔てて、海に続いているらしい。 国枝史郎『名人地獄』より引用
  • 若だんなと男達の他、人気がないせいか、その景色は物寂しい。 畠中恵『うそうそ』より引用
  • 夜は又これほど物寂しい場処は少なく、夏の熱い最中ならば知らぬこと、其他の季節に夜に入つて此山に登る者は決して普通ただの人ではない。 国木田独歩『夜の赤坂』より引用
  • かつては美しくて、女性にもてはやされ、愛されていた身も、今は日一日と衰えて行くのを物寂しく思う頃だった。 モーパッサン/新庄嘉章『ある女の告白』より引用
  • からからと物寂しい音が風音のようにする。 小野不由美『黒祠の島』より引用
  • どこか物寂しい雰囲気はあるものの、そこそこ不幸でそこそこ豊かだった家のたたずまいだ。 岩井志麻子『岡山女』より引用
  • その後は森然しんと物寂しく、何んの音も聞えない。 国枝史郎『高島異誌』より引用
  • この句を見ても、芭蕉がいかに物寂しい日記に、色氣を添へようとしてゐるか訣る。 折口信夫『文学に於ける虚構』より引用
  • 秋風がたにの底から吹き上がって来て肌寒はださむさの覚えられる所であったから、物寂しい人たちの心はまして悲しかった。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • まだ松風が吹いてゐます、 もう一度この冬のはじめの物寂しいパノラマの地理を教へて下さい。 高村光太郎『智恵子抄』より引用
  • 何となくそれは水族館の水槽の中を思わせるような、妙に陰気な、物寂しい風景だった。 横溝正史『呪いの塔』より引用
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