熱苦しい

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  • その度に、半分夢のように人を待ち明した熱苦しい夜は彼から離れて行った。 島崎藤村『新生』より引用
  • そして汗を拭き帽子をとつてその熱苦しい想像邪念を追拂はうと努めた。 若山牧水『樹木とその葉』より引用
  • 湯たんぽを入れた足先になお冷たい感じがあり、胸元に熱苦しい感じがありました。 豊島与志雄『古木』より引用
  • 三平などはあれを飲んでから、真赤まっかになって、熱苦あつくるしい息遣いきづかいをした。 夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
  • 三平などはあれを飲んでから、まっかになって、熱苦しい息づかいをした。 夏目漱石『吾輩は猫である』より引用
  • 半島の絶端を極めたいと思ふ勃々とした心が先に立つて、吾儕はこゝへ來る迄の疲勞つかれと熱苦しさとを忘れた。 島崎藤村『伊豆の旅』より引用
  • もう四時を過ぎているというのに、窓を開けると、公園の灌木の熱苦しいいきれがむっと入ってくるばかりだった。 フィッツジェラルド/佐藤亮一訳『華麗なるギャツビー』より引用
  • 親類の女や、近所の女たちが、だらしのない居ずまいをして、何かを喰いながら喋っている話は、大半は熱苦しいような、愛情の話である。 森茉莉『甘い蜜の部屋』より引用
  • 熱苦しさと恐怖との中で長い時間が経ち、やがて太い、強靭な蛇のような腕に巻きこまれた中で、再び過ぎた夏の夜の疼痛が、永い恐怖の時間に止めを刺すのを覚えた。 森茉莉『甘い蜜の部屋』より引用
  • 折れ曲り折れ曲りして草深い中を行く、風は涼しいが藪が繁っているので熱苦あつくるしい。 吉江喬松『木曽御嶽の両面』より引用
  • 二重ふたえになった顎も、見慣れると慕わしい心地にさせるのだから不思議なもので、ルチアナには肥満体に対する熱苦しさよりも、彼女の存在がかもし出す安堵あんど感の方が強く感じられた。 五百香ノエル『Knight and Cherry』より引用
  • 周囲を覆いつくしたこの熱苦しい被膜を、どこかで切り裂いて逃れようとしても手応えがない。 石原慎太郎『化石の森』より引用
  • 太陽が、頭の上に火のやうに燃えたって、自分の行為のすべてに干渉するやうな、すべてが熱苦しくわづらはしい夏のさかり、それが漸くすぎて十一月とはなったものゝ、この南のはてには、木の葉の紅葉するといふ事も、落ちるといふことも、殆んど見られない。 素木しづ『雛鳥の夢』より引用
  • 孤独こどくが骨までみ込んでいる老楽師はめずらしく若い娘にぴたと寄り添われたので半身熱苦しくあおられた。 岡本かの子『売春婦リゼット』より引用
  • 半ば蛇に呑まれて、半身だけが地上にのたうち廻って苦しむような、熱苦しい、どろどろした呻きの声であります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • それは濃烈な恋であったかも知れないし、自暴やけと自暴との怖ろしい打着ぶっつかり合いであるようでもあるし、血の出るような、うみの出るような、熱苦しい物凄ものすさまじい心持がここまでつづいて、おたがいにどろどろに溶け合って、のたりついて来たようなものであります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 僕の家は、病人と痩せッこけの住いに変じ、赤ん坊が時々熱苦あつくるしくもぎゃあぎゃあ泣くほかは、お互いに口をくこともなく、夏の真昼はひッそりして、なまぬるい葉のにおいと陰欝な空気とのうちに、僕自身の汗じみた苦悶くもんのかげがそッくりただよっているようだ。 岩野泡鳴『耽溺』より引用