熟柿臭い

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  • しかも非人同様の姿ながら恐れ気もないその態度と、プンプンする熟柿臭い異臭においが、いかにも不快な感じを与えたらしい。 夢野久作『狂歌師赤猪口兵衛』より引用
  • 私は熟柿臭い折笠先生に違いない人に抱き上げられたのを知っていたが、何か未知の人への恐怖と、寝ている所を酔っ払いの騒々しさで眠りから引き戻された不快と、私が折笠先生を考える時につきまとっている或る気分の為の羞恥しゆうちとで、まぶたのうらをわななかせつつ眠りを装っていた。 島尾敏雄『出孤島記』より引用
  • それは、胃に重くアルコールをためて、熟柿臭じゆくしくさい汗にあえぐぼくたちには、いささか緊迫感のありすぎる音楽だった。 山田正紀『神狩り』より引用
  • 熟柿臭い相手の息が吉哉の鼻を突いた。 平岩弓枝『鏨師』より引用
  • そう云う忠弥は、すでに、白昼から、熟柿臭い息を吐いていた。 柴田錬三郎『嗚呼 江戸城(下)』より引用
  • ゆびさしながら熟柿臭じゅくしくさ呼吸いきを吹いた。 島崎藤村『破戒』より引用
  • 親指と人指指とを丸めて猪口の形をこしらえ、ニヤリ口のところへ持っていって見せると熟柿臭い呼吸を吐きちらしながら国芳、芳年芳幾の二人を促がしてまたフラフラとでていってしまった。 正岡容『小説 円朝』より引用
  • 先日、この峰吉は銅助のところへ、変な金の要求にいって、ケンもホロロに追っ払われたはずなのが、もう何くわぬ顔で、熟柿臭い息を吐きかけ合っている。 山田風太郎『幻燈辻馬車(上)』より引用
  • ゆびさし乍ら熟柿臭じゆくしくさ呼吸いきを吹いた。 島崎藤村『破戒』より引用
  • 蒼黒い不健康な顔に、眼ばかりギラギラぎらつかせて、関森警部補に指さされた椅子に、どしんと腰をおとしたとき、ふうっと熟柿じゅくし臭い息を吹っかけて、思わず捜査主任に顔をそむけさせた。 横溝正史『魔女の暦』より引用
  • 吃驚びっくりして文三がフッとかおを振揚げて見ると、手摺てずれて垢光あかびかりに光ッた洋服、しかも二三カ所手痍てきずを負うた奴を着た壮年の男が、余程酩酊めいていしていると見えて、鼻持のならぬ程の熟柿じゅくし臭いにおいをさせながら、何時の間にか目前に突立ッていた。 二葉亭四迷『浮雲』より引用
  • 外套、上衣とも襟の処には葉巻の芳香と、熟柿じゅくし臭い臭気とがみ込んでプンプンと匂っている。 夢野久作『暗黒公使』より引用