煮える音

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  • 秋のさびしさが身に染みてくる頃で、鍋のぐつぐつと煮える音が温かい。 森見登美彦『四畳半神話大系』より引用
  • 私の疲労した身心は、静かな茶間の一室で、鉄瓶の湯の煮える音を楽しんだ。 萩原朔太郎『病床生活からの一発見』より引用
  • 彼女はそう言いながらベッドにもたれて、鍋のお湯がぐつぐつと煮える音の中で眠ってしまった。 尾崎豊『黄昏ゆく街で』より引用
  • 夫婦が寄せ鍋を間にしているが、グツグツと煮える音しか聞こえない食卓が想像できた。 野沢尚『龍時(リュウジ)03―04』より引用
  • 桶には豆腐の煮える音がして盛んに湯気がッている。 広津柳浪『今戸心中』より引用
  • ぐつぐつと何か煮える音がしていました。 坂東眞砂子『旅涯ての地(上)』より引用
  • お粥の煮える音でそのかげんをはかるので姑はお粥炊きの名人だと感心する。 矢田津世子『茶粥の記』より引用
  • やかんの湯が煮立つ音か、大きな鍋の煮える音に似ていた。 ドイル/永井淳訳『失われた世界』より引用
  • 書物部屋は湯豆腐のぐつぐつ煮える音が響いていた。 宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 幻の声』より引用
  • しかし、同時に、食堂の椅子に腰を下し、足元の七輪の上で粥のことことと煮える音をききながら、本当にすべてがなおみの両親だけの責任なのであろうかと思うのだった。 郷静子『れくいえむ』より引用
  • そして近来そんなことを一度もしたことはなかつたのだが、小娘のやうな気になつて、煮え上るのを待つ間横坐りに足を投げ出して煮える音を聞いてゐた。 田畑修一郎『医師高間房一氏』より引用
  • 油の煮える音がした。 国枝史郎『神州纐纈城』より引用
  • しばらくはスキヤキの煮える音だけが続き、聡子が姉弟の顔を行ったり来たりしながらチラチラうかがっていると、とうとう和子が口を開いた。 橋部敦子(脚本)/豊田美加(ノベライズ)『Around40 ~注文の多いオンナたち~』より引用
  • スープのえる音だげが、くつくつと聞こえていた。 支倉凍砂『狼と香辛料Ⅹ』より引用
  • なんともいえぬ、よいにおいがただよい、なにかが煮える音が気持ちよくひびいている。 上橋菜穂子『守り人シリーズ01 精霊の守り人』より引用
  • 何か煮える音、うまさうな匂ひ、すべてよろし。 種田山頭火『其中日記』より引用
  • 後頭部に人間の歯形をつけ、変死体のようにうつ伏せでのびていた彼は、お鍋がぐらぐら煮える音や高温のフライパンがじゃーじゃー鳴る音を聞いて、迂闊うかつにもまぶたのはしから一筋の涙が伝う所だった。 鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第16巻』より引用
  • 鍋から立ちのぼる湯気とか、くつくつと煮える音とか、顔をテラテラさせて「アフアフ」なんて言ってる人とか、そういった様子がありありと思い出されてくる。 東海林さだお『キャベツの丸かじり』より引用