煮える匂い

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  • 雪が水になってやがて湯気が立ち昇り、甘い米の煮える匂いがしてきた。 吉村昭『熊撃ち』より引用
  • 玄関に荷物を置いたまま居間へ行くと、台所のほうからスープの煮えるにおいが漂って来る。 阿刀田高『花の図鑑(上)』より引用
  • 魚の焼ける匂い、汁の煮える匂い、肉の焦げる音、油のはぜるさざめき。 開高健『ずばり東京』より引用
  • 部屋にはトマトの煮える匂いが充満している。 大石圭『殺人勤務医』より引用
  • スキヤキの煮える匂いが、せまい部屋の中にひろがりはじめた。 吉村昭『一家の主』より引用
  • 狸穴の方月館の、まるで大百姓の家のような広い板の間には囲炉裏が切ってあり、自在鉤には大鍋がかかっていて、旨そうな味噌の煮える匂いがしている。 平岩弓枝『御宿かわせみ 05 幽霊殺し』より引用
  • 味噌の煮える匂いが、部屋にこもって来て「かわせみ」はこれからが酒宴となる様子だ。 平岩弓枝『御宿かわせみ 17 雨月』より引用
  • カキと野菜の煮える匂いが、大量の湯気と共に、とどいてくる。 夢枕獏『風果つる街』より引用
  • 邸内に、豆の煮える匂いが漂っている。 三雲岳斗『聖遺の天使』より引用
  • もう日が暮れて町の裏通りにはどぶ水のような夜がよどんでいたが、大野営地に似た駅前広場はかがり火や、叫び声や、肉の煮える匂い、魚の焼ける匂い、ひしめく群衆で、いきいきした力にみなぎっていた。 開高健『青い月曜日』より引用
  • 部屋の中には、豚肉、じゃが芋、玉葱のまじり合って煮える匂いがただよい、かれは、食卓の上に置かれたコップの水を何度も飲んだ。 吉村昭『一家の主』より引用