煩悩
全て
名詞
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煩悩の具わらざることのない自己がいかにして自己の真実を語り得るのであるか。自己が自己を語ろうとすることそのことがすでに一つの煩悩ではないか。親鸞が全生命を投げ込んで求めたものは実にこのただ一つの極めて単純なこと、すなわち真実心を得るということ、まごころに徹するということであった。
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どだい、人間の本能を抑圧する教義というものは不自然である。釈迦のような偉人でも修行中は性の煩悩に負けそうになったではないか。偉人でもない何千万の凡人に同じ規律を強いるのは道理に合わぬ、それよりも性の現実をあるがままにうけとり、その神秘性を人間幸福に結びつけたインドの原始宗教、ひいては立川流の考えがまことに自然で建設的に思われた。
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煩悩の少ない猫には、百八つも煩悩を抱え、泣いたり笑ったりじたばたしている人間がさぞや滑稽に見えることだろう。しかし彼女から「恋」という煩悩を取り上げたのは、他ならぬ私なのだ。必死でワープロを打っていたり、友人と電話で無駄話をしていてふと顔を上げると、猫と目が合う時がある。
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それぞれ天傷星、天狐星など、百八の魔星の生まれ変わりである。百八とは仏教で言う煩悩の数でもあり、除夜の鐘で突かれる数でもある。北宋は第四代皇帝仁宗の時代、国の全土に疫病が蔓延し、打てる手を尽くした朝廷は最後の手段として、竜虎山に住む仙人張天師に祈祷を依頼するため、太尉の洪信を使者として派遣する。
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魂は純潔である。竹を一本切り倒すごとに、煩悩が一つずつ蒸発していくような気がした。これはたいへん気持ちの良いことだが、しかし煩悩は妄想を生み、妄想は小説を生む。
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なんとなく、彼女の脳裏では変な煩悩が大爆発しているように見えた。
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黙って「逃げた」義湘は、ケツの穴が小さい。煩悩に迷う女を救済することも仏教の教えではないか、と私は思った。だから、さようならの一言も言わせずに出発していった義湘を怨んだ結果、竜になってしまったのである。
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ゆき子は生きてゐるかぎり、煩悩は人の心に嵐を呼ぶものだと悟つた。大日向教がどんな金まうけに利用した神と云つても、それはそれとして、さうした神を祭つた道場にこもつて、じいつと屈伏して祈つてみたい気もして来る。
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おれの限界のぎりぎりまで自分の煩悩と戦っている、昨日の夜からずっとだ。
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これは、煩悩を捨てずして仏になる道があるということである。我々の中にある様々な欲望や煩悩を毒に例えて、そういうものは捨てる必要はなく、むしろそれを使って薬にするのだと説かれている。
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煩悩の汚れを落とすのは大事なことだが、濯ぎこそもっと大事なのである。「無一物」状態であっても、「無一物」という意識が残っていたら石鹸臭い。
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煩悩の具わらざることのない自己がいかにして自己の真実を語り得るのであるか。自己が自己を語ろうとすることそのことがすでに一つの煩悩ではないか。
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魚で言えばワカシがイナダになったみたいなもんか。そう思うと心の中の煩悩に満ちたドラム活動が急速に治まってきた。そしてそれに反比例するかのように春香に対する愛おしさが込み上げてくる。
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煩悩の塊だが、何気に純真さも持つ才人はそんな風に思っていたのだった。才人は必死になって皿と格闘した。
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燻製の鰊と桐の花と一緒にされるものか。ほんのかりそめの煩悩であるが今のうちに一寸でも昔に還って見たい。いい機会だ、この機会を取りはずして永遠に寂しい私になりそうな気もする未練である。
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きょうは久しぶりになつかしかった。よかお経ばあげてもろて、写真ども眺めよったらぼんのうの湧いてならん。ほんにきょうはありがとうござした。
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彼にとって忘れることのできない、「煩悩」の語を冠した賊ではないか。
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