煩いつい
全て
動詞
7 の例文
(0.00 秒)
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が、女との語らいは深まる一方だったので、男はその女のもとをばもはや離れがたく思うようになっていた。ところが、或年の冬、中務大輔は俄かに煩いついて亡き人の数に入った。それから引きつづいて女の母もそのあとを追った。
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死ぬほどの思いで、辛抱はしたんだが、遣切れなくなって煩いついた。と言って、主人から注意があったんだとね。
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今日の人達はそんな馬鹿な事があるものかと一と口に云ってしまうでしょうが、その頃の人間はみんな正直ですから、そんな噂を聞くと竦毛をふるって怖がります。しかも論より証拠、その婆さんに出逢って煩いついた者が幾人もあるんだから仕方がありません。
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恭順は久しいことそれをしまい込んで置いて、どうしても見当たらなかったが、最近に本箱の抽斗の中から出て来たと半蔵に語り、あの香蔵が老師鉄胤のあとを追って上京したのは明治二年の五月であったが、惜しいことに東京の客舎で煩いついたと語った末に言った。
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ですもの、照吉さんは芸者だけれど、弟さんは若旦那だわね。また煩いついたのよ、困るわねえ。そして長いの、どっと床に就いてさ。
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手切話しに、家を分けて、間夫をたてひく三度の勤めに、消え際がまた栄えた、おなじ屋号の御神燈を掛けたのが、すなわちこの露地で、稲葉屋の前がそれである。お若と云うのは、一輪の冬牡丹を凩に咲かす間もなく、その家で煩いついて、いわゆる労症の、果はどっと寝て、枕も上らないようになると、件の間夫の妹と称する、いずくんぞ知らん品川の女郎上り。女で食う色男を一度食わせたことのある、台の鮨のくされ縁が、手扶けの介抱と称えて入り込んで、箪笥の抽斗を明けたり出したり、引解いたり、鋏を入れたり。
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