漸次その

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  • かくて日本には今「遊民」という不思議な階級が漸次ぜんじその数を増しつつある。 石川啄木『時代閉塞の現状』より引用
  • この種の文字通りな民衆芸術は、漸次その勢力をひろめないではいなかった。 和辻哲郎『古寺巡礼』より引用
  • 噴煙は一キロメートルの高さで停止し、漸次ぜんじその高さを縮めて行くようであった。 新田次郎『昭和新山』より引用
  • ドイツ軍の攻撃前日には漸次その数を増し、2個軍団が増強された。
  • 田原さんは長い間考えていたが、漸次その物音の場所を探しあてたように急に起き上った。 豊島与志雄『田原氏の犯罪』より引用
  • もし農業者が漸次その穀物栽培をどんな程度にも増大することが出来、またそれを十分低廉に販売することが出来るならば、人口はその全部を需要するために国内に生じてくるであろう。 吉田秀夫『人口論』より引用
  • もっとも漸次だんだんその声は廊下伝いに近寄っては来た。 国枝史郎『神州纐纈城』より引用
  • 一九四五年の第二次精神崩壊では、もはや、集団主義の前に示す個人主義の抗争のムーヴメントは一九三〇年の残余であり、ゲリラ的な散発の抵抗で漸次その線をおさめつつある。 中井正一『現代美学の危機と映画理論』より引用
  • しかしながらついに若干の宗教団体の家族がここに定着し、そして他の基金で衣食し、土地の改良は第二義としたので、彼らは数世紀の間に漸次そのほとんど全部を開墾し、改良が十分に行われると共に、これを農業者に貸付けていったのである。 吉田秀夫『人口論』より引用
  • これらパルティザンは当初はテロなどを繰り返しながら漸次その規模を拡大し、北進する連合軍の前衛的役割を果すまでに成長する。 木村裕主『ムッソリーニの処刑』より引用
  • そうしてそれと共に、同じくヨウロッパの一国から学ばれた官僚制度が設けられ、行政の実権が漸次その官僚に移ってゆくようになった。 津田左右吉『建国の事情と万世一系の思想』より引用
  • ハワイ以外の地ではほとんど知られていなかったものの、ファミリーレストランなどのメニューに加わることで、漸次その知名度は上がってきている。
  • 異教徒である惟政は、フロイス庇護の運動を続けるうちに、漸次その信仰にも親しんで行った。 和辻哲郎『鎖国日本の悲劇 (後編)』より引用
  • 光線は申すまでもなく、光波と称する一種の波でありますが、スペクトルの赤色の方から紫色に向かって漸次その波長が小さくなり、反対に屈折力は大きくなるのであります。 小酒井不木『紫外線』より引用
  • とまれ漸次その音は寝間へ近寄って来るらしい。 国枝史郎『八ヶ嶽の魔神』より引用
  • 漢書以後は漸次その主意が失はれ、單に個人のためにその事蹟を傳へるに過ぎぬことになつた。 内藤湖南『支那史学史概要』より引用