漸く

全て 副詞
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  • それから大衆文芸の機運が漸く動き始めたと云っていいと思うのである。 直木三十五『大衆文芸作法』より引用
  • 火葬場へは自分一人が行けば充分だと言い、漸く私だけ同行を許された。 豊島与志雄『絶縁体』より引用
  • ようやく三吉は平常いつもの調子に返って、一日家を探し歩いたことを兄に話した。 島崎藤村『家』より引用
  • 三千代は漸く自分の言ひたいこと以外の話題に気付いた様子であつた。 坂口安吾『狼園』より引用
  • 私は漸くその別莊の前まで來ると、ためらひながら、そのベルを押した。 堀辰雄『窓』より引用
  • 戸口とぐちかげかくれていてたおつぎは巡査じゆんさつた後漸のちやうや姿すがたあらはした。 長塚節『土』より引用
  • 私達は二時間余りを費して漸くその三分の一すら辿ることが出来なかった。 木暮理太郎『黒部川奥の山旅』より引用
  • 張金田から誓いを求められたことによって、私は漸く自分の力を知った。 豊島与志雄『画舫』より引用
  • 私が漸く我に返ると、お母さんは心配そうに私の顔を覗き込んでいられた。 豊島与志雄『或る女の手記』より引用
  • それがこの頃になつて漸くその教への真髄をつかみ得たやうな気がします。 伊藤野枝『遺書の一部より』より引用
  • 漸く一組を元のように折るとまた新らしく一組を開かなければならなかった。 夏目漱石『道草』より引用
  • 彼はすっかりこの屍室に閉じこめられてしまったことに漸く気がついた。 海野十三『流線間諜』より引用
  • 三千代はただ、 「私、それで漸く安心したわ」と云っただけであった。 夏目漱石『それから』より引用
  • 漸く起き上って出て行くと、向うの室で兼子や依子の笑い声がしていた。 豊島与志雄『子を奪う』より引用
  • 長い長い留守居の後で、お俊姉妹はようやく父の実と一緒に成れたのである。 島崎藤村『家』より引用
  • 仕方がないから他に二三軒の学校をかけあるいて、ようやく其日を送って居た。 夏目漱石『入社の辞』より引用
  • 長く待ち受けたものが漸くのことで町を埋めに来て呉れたという気もする。 島崎藤村『雪の障子』より引用
  • 西洋文明の粋を知ること漸く深くなって、好学の念がいよいよ強くなる。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 漸く髪の道具は袋戸棚の中から見付ったが、彼は素知らぬ顔をしていた。 豊島与志雄『叔父』より引用
  • そして漸く私は、この家庭の中での自分の地位がぼんやり分ってきた。 豊島与志雄『新妻の手記』より引用
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