満更
全て
副詞
394 の用例
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と驚いたような声を上げ、江美も満更ではないような目を間宮に向けた。
とはいえ、二人ともちゃらちゃらした尻軽女ではないらしい。
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深谷忠記『長崎・壱岐殺人ライン』より引用
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箱の古さと材質を見て、男は目を光らせた。
軸の取り出し方にも力が入ったところを見ると、満更でもなさそうである。
同じように、軸を広げては巻き戻すことが続いた。
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服部真澄『清談 佛々堂先生』より引用
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私の言葉に佐倉は満更でもなさそうな顔を作り、煙草の煙を吐き出した。
東野圭吾『殺人の門』より引用
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そう決心したならここの生活は満更悪いものではないと思いますよ。
それからあなたの解放については、おそらく半年は我慢していただかなくてはなりませんがね。
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楡周平『マリア・プロジェクト』より引用
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おやじさんも満更ではない様子で、日に灼けた毛の濃い腕を組んでいる。
吉田修一『熱帯魚』より引用
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いくら知恵が回るとはいっても、まだ十七の若者です。
同年代で同じ地位に就くあなたとの旅が、満更でもなかったのでしょう。
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喬林知『今日からマ王 第14巻 「やがてマのつく歌になる!」』より引用
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刈谷はそう言ったが、聞かれるのは満更でもないという顔をしていた。
この青年は話したがっているのだ。
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藤田宜永『標的の向こう側』より引用
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また少しわからなくなったと思った。
満更でもなかったのが、なぜ急に姿をくらましてしまったのだろうか。
とにかく、倉橋恵子のアパートへ回ってみることにした。
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西村京太郎『死への招待状』より引用
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その時は、十万ばかりの金額で、定期預金を崩して返済したが、しばらくすると、長く縁のなかった親戚から借金を申し込まれたとかで、鏡子に黙って、会社に前借りしていることが露見した。
詰め寄ると、夫は謝りはするのだが、どこか満更でもないふうに見えた。
驚いたことに、夫は、自分ではよいことをしていると思っているのだった。
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唯川恵『不運な女神』より引用
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遊さんもその友人のことはかわいがっていた。
遊さんみたいになりたいとまで言われたので、満更でもなかったのだ。
なのに自殺してしまった。
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大道珠貴『しょっぱいドライブ』より引用
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と、むきになったところを見ると、満更、その気もないではないらしい。
ハンスが何か言った。
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赤川次郎『南十字星』より引用
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常右衛門の言葉が、満更見当違いでないことは、平次にもよく解ります。
あの久松型の正直で弱そうな千代松が、三千両をどうしようという人間とは覚えません。
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野村胡堂『銭形平次捕物控 07』より引用
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自分のお姉さまが、他の生徒にちやほやされているんだよ?
突っぱねないってことは、お姉さまだって満更じゃないってことなんだよ?
いいわけ、それで?
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今野緒雪『マリア様がみてる 32 卒業前小景』より引用
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マアさんと呼ばれたその客、丸松はそれでも満更でもなさそうな顔をした。
フロイラインほどの一流バーのナンバーワンをかんばん後送れるとは客にとって光栄である。
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森村誠一『分水嶺』より引用
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身体検査が済んで最後に徴兵官の前へ行くと、徴兵官は私が学校をやめた理由をきいた。
病気したからだと私は答えたが、満更嘘を言ったわけではない。
私は学校にいた時呼吸器を悪くして三月許り休学していたことがある。
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織田作之助『髪』より引用
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壇は、照れた表情をしながらも、満更でもなさそうに口の端で笑った。
そして、コーヒーをすする。
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霞流一『フォックスの死劇』より引用
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夫婦になれなけりゃ死ぬのなんのと大さわぎになりました。
役者のほうも満更ではなかったのでしょうが、すでに女房子がいる。
師匠からも軽はずみはならねえと釘をさされています。
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平岩弓枝『御宿かわせみ 30 鬼女の花摘み』より引用
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これだけ近いんだから、当然といえば当然だけど。
ちょっと鬱陶しくないかな、と思ったら由乃さん満更でもない顔していた。
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今野緒雪『マリア様がみてる 03 いばらの森』より引用
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電話の向うで、村尾課長は考えているようだった。
その声の調子は今までの冷たさと変わって、満更脈が無さそうでもなかった。
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松本清張『球形の荒野 新装版(上)』より引用
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アカシュは、人を怒らせるだけでなく、いい気持ちにさせることもうまい。
鍵役人は仏頂面をしてはいるものの、満更でもない、といった顔をしていた。
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今野緒雪『スリピッシュ! 01 ―東方牢城の主―』より引用