済まない気持
7 の例文
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小吉のいってることは無理だ。が、無理と知ってて、そういわなくては済まない気持であった。
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二人はグラスをふれあわせた。島崎は肩の荷をおろした解放感よりも、典子に済まない気持のほうが大きかった。
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幼い頃の私は、姉の苦労も知らずに、我儘のしたい放題だった。今になって考えれば、姉に済まない気持で、一杯である。それでも、二十歳を過ぎる頃から、さすがの私も、姉のことを考えるようになった。
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その端麗な顔立ちが、雨にうっすりと濡れ、街の火に光って一層引締って見える。彼女は非常な我儘をしたあとのような済まない気持になりながら、ペーヴメントの角に靴の踵を立てて、逸作の近づいて来るのを待つつもりでいると、もう行き過ぎて見えなくなったと思った青年が、角の建物の陰から出て来てかの女にそっと立ち寄って来た。そして不手際にいった。
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忠夫がつかまって虚偽の告白をしたのは、やはり私に済まない気持があったのと、自分の恥をいいたくなかったからでしょう。でも、母殺しの罪を引きうけるあの人の気持は最後まではつづきません。
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想い出されもしなかった。想い出せば、母親に済まない気持になるところだった。高等学校を止めたということが極く当然のことだったと、今はその気持がすっかり身についてしまった。
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