混じる
全て
動詞
972 の用例
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皮肉混じりの冗談が聞こえてきた時には、二人はもう作業に移っていた。
足立倫行『妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる』より引用
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アスキア人は役獣としてユーインタテールとプラティベロドンを使っていた。
それらに混じって、明らかにこの目的で建造された六本足の機械がいた。
わたしが見たかぎり、御者はこれらの機械と動物を差別せずに使っていた。
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ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書4』より引用
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しかし不思議なことに、復帰した彼はそれまでの彼とは別人になっていた。
一人だけアマチュアの選手が混じっているような感じになっていたのだ。
手塚修平は心配になり、シーズンの最後の試合を見に行ったが、じっさい彼はボールにすらほとんどさわれず、試合の後半にはほかの選手と交替させられてしまった。
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海老沢泰久『帰郷』より引用
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ロンドン名物の二階建ての赤いバスや、〈チューブ〉と呼ばれる地下鉄道の乗り方も覚えた。
観光客に混じってラノン城と同じ位置にあるロンドン塔にも行ってみた。
城というよりも城塞に近い堅牢な造りで、瀟洒な硝子のドームを持つラノン城とは似ていなかった。
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縞田理理『霧の日にはラノンが視える3』より引用
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そこに彼が目撃した光景は、夕陽と血の混じりあった赤の映像であった。
巨大な、この世ならぬ赤味に染まった太陽が、煉瓦ビルのあいだに沈もうとしていた。
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荒俣宏『帝都物語1』より引用
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その映像と混じりあったさまざまな予徴 に過ぎないものなのだろうか。
イエイツ/井村君江訳『ケルトの薄明』より引用
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何しろ祭りの準備でこれだけの出入りがありますからね。
その中に不審な気配が混じりこんでいても、とても私にはわかりません。
むしろ逆に、この人ごみの中に、ここを監視する敵も混じりこんでいると思って警戒するくらいがちょうどいいでしょう。
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竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 08 祭囃し編』より引用
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と冗談混じりに言われた時は、恥ずかしくて顔から火が出そうになった。
原田宗典『はたらく青年』より引用
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道場の奥からスパンと引き戸を開けて話題の人物、霧矢美沙都部長が現れた。
四十人からなる部員全員が一斉に部長の方に不安が混じった視線を送る。
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言乃葉『出席番号32番 衛宮』より引用
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彼女はいませんでした。
台所で何か料理したらしく、いろんなものが混じった匂いがしてました。
もうずいぶん彼女の料理を食べていないことに、そのとき気づいて、複雑な気分になりましたね。
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新津きよみ『愛読者』より引用
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ロクサーヌ様は、俗世で亡くなられたある方の喪に服して、ヴェールをかぶったまま私ども麻の頭巾の尼の仲間に入られたのです。
ちょうど白い小鳥の内に、一羽の大きな黒い鳥が混じったようでしたよ!
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ロスタン/岩瀬孝訳『シラノ・ド・ベルジュラック』より引用
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テレビを眺めているのかもしれない。
混じり合うそれぞれ幸福そうな声の中に、結束力のようなものを感じた。
わたしは陰に身を潜ませたまま立ちすくんだ。
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乙一『失踪HOLIDAY』より引用
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もっとも元来ミスティフィカションの好きなこの母と子が、こうした説を肯定しないまでも、正面切って否定しなかったために、伝説の真実味が増したとも言えないことはない。
暗いスラブの血と明るいラテンの血が詩人の体の中で混じり合っている。
両親の家系の厳格なカトリック、革命家、軍人、そしてこれと対蹠的な淫蕩な堕落貴族とばくち打ち的な性格、こうした遺伝形質を考えずにはアポリネールの矛盾にみちた生涯を理解することは不可能だろう。
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アポリネール/須賀慣訳『若きドンジュアンの冒険』より引用
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婚約者は消えていなかった。
雨の匂いと血の匂いに混じって、婚約者がつけていた香水の匂いがした。
永遠に見続けても、この女は消えないという気がした。
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新津きよみ『婚約者』より引用
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あいにく図面のようなものはない。
不動産屋から手渡された書類の中にもそんなものは混じっていなかった。
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小野不由美『悪夢の棲む家 (上) 挿絵あり』より引用
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やがて僕らにとって大分川の土手は、友人と哲学を語り文学を語り人生の懐疑を語りながら歩く小道となった。
そしていつしかその群れには、女子学生の姿も混じるようになっていた。
その頃になっても、僕らの川泳ぎの姿は六尺べこのままだった。
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赤瀬川隼『人は道草を食って生きる』より引用
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ラーゼフォンを固定していたワイヤーがはずされていく。
積み下ろし作業かと思っていたら、見たこともない連中が混じっている。
イヤな予感がする。
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大野木寛『ラーゼフォン第01巻』より引用
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先生も言ってたけど、あの楽屋、空気が悪かったでしょ?
いま思えばあれ、煙草の煙やらおしろいやらが混じった匂いだったのね。
うちはパパも誰も吸わないから、煙草の匂いって苦手なの。
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新津きよみ『婚約者』より引用
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その声に笑みが混じっているように感じたのは、丈だけだったろうか。
大迫純一『ゾアハンター 03 復讐のエムブリオ』より引用
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「四人ゲーム」はそういうゲームだ。
いるはずのない誰かが混じって、成立するはずのないゲームが成立する。
その誰かは霊なのだ。
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小野不由美『くらのかみ』より引用