深まる
全て
動詞
905 の用例
(0.01 秒)
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というわけで、具体的な説明が得られてその料理に対する理解が深まる。
これがいいのだ。
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赤瀬川原平『ごちそう探検隊』より引用
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カップ状の眼はさらに深まって部屋状となり、ピンホール眼が発達した。
開放部の大きさを狭めることで、生物は真の画像情報を手に入れた。
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一巻で八月発売と言っておきながらなんで十月発売になっているのか。
謎は深まるばかりですが、実は四巻も十二月発売じゃなかったりします。
教訓としては、できもしないことを宣言するなというところでしょうか。
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秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第03巻』より引用
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シャワーもない野営の後だよ?
まさかこの秋も深まった時期に水の冷たい川で泳いできたって言うの?
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時雨沢恵一『キノの旅 第08巻』より引用
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よほどの不都合がない限り、青爾は私のために車を回してくれたのだが、それも初めのうちだけだった。
青爾との関係が深まるにつれ、私は近所の目を考えざるを得なくなった。
佐高の運転する車は黒塗りのロールス・ロイスだった。
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小池真理子『狂王の庭』より引用
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そのくせ、それが文字であるという確信だけは、どんどん深まっていく。
山田正紀『神狩り』より引用
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これがきっかけとなり、急速にイギリス、ロシア、フランス、ドイツ、日本など列強諸国による中国分割が進み、阿片戦争以来のイギリス一国の中国半植民地状態は崩壊した。
とりわけ急速に北中国を勢力圏としていくロシアとの対立が深まった。
バルフォアは1898年8月10日の庶民院での演説で中国分割において「勢力圏」という概念は否定されるべきであり、代わりに「利益範囲」という概念を導入すべきと主張した。
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まるで全国民が息をつめて、もっとずっと大きな祝祭のきっかけを待ち受けているかのようだった。
冬は週ごとに深まって、すでに膝丈に積もった雪にさらに雪をくわえた。
エラスタイドがおわって一ヵ月ほどすると、一時的に日がさしてふつかあまり晴天がつづいたが、それもつかのまふたたび凍りつくような寒気がいすわって、ぬかるんだ雪の土手を氷のかたまりに変えた。
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エディングス『マロリオン物語02 熊神教徒の逆襲』より引用
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夜の空気は涼しいものの、不快な冷たさを感じさせるほどではない。
秋が深まってきているとはいえ、この地方の冬の訪れはまだ先のことなのだ。
やがて小川に出た。
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山本弘『サーラの冒険 5 幸せをつかみたい !』より引用
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巨大な都市の交通が、夜が深まっていく中で眠りのない河の上で続いていた。
コンラッド/岩清水由美子訳『闇の奥』より引用
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裏庭の金木犀の匂いが、今日はいつもより強く、激しい。
十日ばかりこなかった間に秋は深まり、金木犀もいまが盛りなのだろう。
明日の朝目覚めるとそれがいくらか薄くなり、また十日してここにくるころには、他の秋の花の匂いに変わっている。
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久世光彦『陛下』より引用
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その儀式がどれほど早く効果をあらわしたかをはっきり自覚したのは、すこししてからのことだった。
やがて深まりゆく夕闇のなか、カーターは過去からの声を耳にしていた。
大叔父の使用人、ベニアー・コーリイ老の声だった。
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ラヴクラフト全集6『08 「銀の鍵の門を越えて」』より引用
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彼女の言うとおりだった。
まだ寒さを感じるほどの季節ではないのだが、秋は急速に深まりつつあった。
いつもより一時間だけの朝寝坊で邦子が目を覚ましたのは、Tシャツで眠っていて寒さを覚えたからでもあった。
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片岡義男『夏と少年の短篇』より引用
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おかげでフランソワが紙面を片手に、薪の番を兼ねることになっている。
いよいよ秋も深まりまして、夜ともなると暖炉なしでは過ごせませんな。
いや、ベトゥーラス先生は文書に集中して下さいませ。
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佐藤賢一『王妃の離婚』より引用
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この感覚の中に生と死とが貫かれています。
年毎に、こういう味いが深まってゆくというのは、何としたことでしょう。
それほどあの詩は大きい実質なのですね。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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もちろんこれに対してモラヴィアの企業であるタトラ社は怒り、当局の決定の中に典型的なボヘミア人のプラハ気質を見て取った。
特にシュコダ社だけにレース参戦が許可されるとこの思いは深まった。
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公園の時計は九時をすぎたあたり。
まわりからは段々と人影がなくなっていって、段々と夜が深まっていく。
アルクェイドはどうしてかベンチに座らず、退屈そうにそこいらを歩きまわっていた。
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奈須きのこ『月姫 アルクェイド・ブリュンスタッド』より引用
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だが、大きな旅であったから必ずしも大きな変化をもたらす、ということではなさそうである。
たしかに旅に出て、霞とのあいだは以前とは比べようもないほど深まった。
旅の終りのころには、霞はごく自然に伊織のことを「あなた」と呼び、伊織も「おい」と気軽に呼ぶようになっていた。
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渡辺淳一『ひとひらの雪(下)』より引用
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自分の性欲に忠実になること、肉の愉悦を心から味わうこと、そして今のこの瞬間のふれあいに生きることに、喜びと充実感があると気づいたのだ。
ここまで考えが深まったのだから、先生にはどんなことでも求められそうだ。
たとえ恥ずかしいことでも応じるだろうし、変態的なことでも拒むことはないだろう。
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神崎京介『禁忌』より引用
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こんな風にしていつまで生きつづけてしまふのだらう、こんな風にして!
汽車の進むにつれて、草吉の苦汁のやうな悒鬱は深まるばかりであつた。
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坂口安吾『蒼茫夢』より引用