毒毒しい

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  • その視線は明らかに勝利者の苛酷な、むしろ毒毒しい光を帯びていた。 室生犀星『或る少女の死まで』より引用
  • やがて赤鼻は、それが精一杯の欝憤だといふやうな聲で毒毒しく呟いた。 南部修太郎『女盗』より引用
  • 私は一応念の為に、その瞳から放たれる鋭い毒毒しい視線を伝わって、男の注意が何処に集まって居るのかを検べて見た。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 人びとの顔や目つきは、こうした罵声ばせいよりもさらに毒毒しく、狂暴であった。 トルストイ/木村浩訳『アンナ・カレーニナ』より引用
  • そこには最も毒毒しい敵意と反感とが示されて居る。 萩原朔太郎『青猫』より引用
  • よく見れば、朝顔は毒毒しい精気に溢れた花のようでもあった。 藤沢周平『日暮れ竹河岸』より引用
  • ある夜、酔いにまかせて街の女の誘いに乗ったのだが、初めて開いて見た女は想像もできないほど毒毒しくグロテスクだった。 泡坂妻夫『斜光』より引用
  • 克己が茶碗を卓袱台へ叩きつけるように置きながら毒毒しく心の中でわめいた。 筒井康隆『(「七瀬」三部作 1) 家族八景』より引用
  • あの腕輪は普通の芸者が着けるものにしては、余り趣味の毒毒しい、あくどいものだ。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 草は力強く繁茂し、毒毒しいほどの緑が野を覆いつくしている。 藤沢周平『隠し剣秋風抄』より引用
  • 黙っている久慈の顔にさっと紅がさすと、毒毒しい皮肉な微笑が一瞬唇を慄わせたが、それもすぐ沈んで彼は黙りつづけた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 男は野獣のように毒毒しく何か叫んだが、盃はかれの頭をかすめて、うしろの壁にあたって微塵に砕けた。 室生犀星『或る少女の死まで』より引用
  • くりくりした金壼眼の底が二重になつたやうな猛惡な毒毒しい光をもつた男のことが、すぐ其處の襖のすきから此方をさし覗いてゐるやうな不安をかんじた。 室生犀星『蒼白き巣窟』より引用
  • 此処ここのアラビヤ族の黒奴くろんぼ馬来マレイ印度インドのに比して一層毒毒どくどくしい紫黒色しこくしよくをして居て、肉も血も骨までも茄子なすびの色を持つて居さうに想はれる。 与謝野寛『巴里より』より引用
  • だが、ルイザはナポレオンの権威に圧迫されていたと同様に、彼の腹の、その刺繍のような毒毒しい頑癬からも圧迫された。 横光利一『ナポレオンと田虫』より引用
  • まだお客の掴めない女達は自分達同士の組を拵へて、紅を使つた厚い化粧の毒毒しい顏に蓮葉コケツトな笑ひを浮べながら、腰の振方に蠱惑するやうな誇張を交へながら、踊の輪の中へ加はつて行く。 南部修太郎『ハルピンの一夜』より引用
  • まだひくひくふるえている唇に、毒毒しいなぶるようなうす笑いがゆっくりひろがりはじめた。 ドストエフスキー/工藤精一郎訳『罪と罰』より引用