段々に

全て 副詞
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  • わたしたち、決して何でもなかったのに、お姉さんは段々にそれが本当だと思い込んでしまったんです。 福永武彦『廃市・飛ぶ男』より引用
  • それがまた次の水蒸気の多い層へ来ると、その角板に樹枝が付く、そしてまた次の水蒸気の少い層でまた角板になるという風にして段々に発達して来るというのである。 中谷宇吉郎『雪』より引用
  • 海が段々に僕に近づいて来た。 福永武彦『草の花』より引用
  • ところが段々に入居者が減り、みんなとしをとってきて、さびれてしまったんですね。 小川洋子『薬指の標本』より引用
  • いつでも決断を段々に積み貯へて行くと云ふ風なのです。 森林太郎『尼』より引用
  • 一度この国は大きな火に出会つて東京の隅から隅まで一つの寂しい野原になつたのだが、また段々に家が出来、住む人もふえて来た。 片山広子『トイレット』より引用
  • 更に複雑化して舞台で一人の俳優が文句を云ふと其の次の者が云つて、其次々々と段々に台詞を渡して行くのが渡台詞であります。 岸田国士『日本演劇の特質』より引用
  • 廊下の壁を擦らんばかりに、幅一杯に、最初はゆっくりと、そして段々に速度を上げて滑りはじめる。 影山民夫『ボルネオホテル』より引用
  • 五人、四人、三人と段々に、台へ近づいていく彼を、英子は待ち受けるように見つめている。 石原慎太郎『化石の森』より引用
  • 空気の密度が次第に濃くなって来て、しばらく前までネバネバとしていたのが段々にそれは石か木のような固体にでもなったように、はじから齧りでもしなければ呼吸できないようだ。 三好十郎『冒した者』より引用
  • で、其點を信長が見て取つて段々に採用したに相違無い。 幸田露伴『努力論』より引用
  • 女はかうして男のものになつて家を出て行つて了つたけれど、男はしばらく伴らつてゐる内に、いつしか女に對して段々に石膏のやうな冷い男になつて來る。 鈴木三重吉『赤い鳥』より引用
  • 機械のうなりが耳の傍近くに迫つて聞えるやうな、押付けられた気分が段々に募つて来る。 平出修『逆徒』より引用
  • 的を射る練習のとき、四十ポンドの弓から始め、段々に六十ポンドの弓までいった。 ディクスン『ドラゴンになった青年』より引用
  • アトリヱを出て段々になつた桑畑を降り切ると、此処にも四角な掘立小屋がある。 牧野信一『心象風景』より引用
  • そういう時に、彼が元気に任せて荒海へ乗り出して暴風にもまれて行くのがよいか、それとも何処かの港へまず近寄り、そこで段々に港から港へと伝わって行くほうがよいか、どちらがよいだろう? 坂口安吾『ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格』より引用
  • そのきだはしは、底の方へと段々になって円くつづいているが、その階段の中ほどに通路のようなあきがあって、そこで上層の階段と下層の階段とが区切られている。 ダンテ/三浦逸雄訳『神曲(第三部) 天国篇』より引用
  • 段々にそういう準備もいたします。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • この家族の決まりはゆるやかで、三月三日に原から色のついた花を手折ってきて段々に飾り眺めること、九月の夜には家中の電気を消して月をあがめること、この二つくらいである。 川上弘美『蛇を踏む』より引用
  • これはこの鳥の異名を沓手鳥くつてどりという如く、かつてはトッテカケタカの代りに、「沓手掛けたか」と子供やその爺婆に啼いて聞かせた時代があって、それから段々に鳥が人間であった前の生を、こういう風に想像するようになったのであろうと思う。 柳田国男『野草雑記・野鳥雑記』より引用
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