残惜しい

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  • どんな説を持つてゐたか知らぬが、残惜のこりをしいやうな気がする。 森鴎外『津下四郎左衛門』より引用
  • お光の心には喜びと残惜しさとの感情が交つて居た。 加能作次郎『厄年』より引用
  • 恋しい兄だと思う人を見たのに、逢って物を言わずに別れては、後々のちのちまで残惜しい。 森鴎外『山椒大夫・高瀬舟』より引用
  • そして素直な娘の事であるから、残惜しいという感じに継いで、すぐにあきらめの感じが起る。 森鴎外『青年』より引用
  • 恋しい兄だという思う人を見たのに、逢って物を言わずに別れては、後々まで残惜しい。 森鴎外『二人の友』より引用
  • しかし仮にそれぎりで済む物として、幾らか残惜しく思う位の事はあったのだろう。 森鴎外『雁』より引用
  • それほど病気が重くなってるとは知らなかったので、一度尋ねるつもりでツイそれなりに最後の皮肉を訊かずにしまったのを今なお残惜のこりおしく思っている。 内田魯庵『斎藤緑雨』より引用
  • と身に染みて、お夏は残惜しそうな風情であった。 泉鏡花『三枚続』より引用
  • しかし自分の研究しなくてはならないことになっている学術を真に研究するには、その学術の新しい田地を開墾して行くには、まだ種々いろいろの要約のけている国に帰るのは残惜しい。 森鴎外『山椒大夫・高瀬舟』より引用
  • 併し自分の研究しなくてはならないことになつてゐる学術を真に研究するには、その学術の新しい田地でんぢを開墾して行くには、まだ種々いろいろの要約のけてゐる国に帰るのは残惜のこりをしい。 森鴎外『妄想』より引用
  • 源助さんは、郷里くににゐる父親が死んだとかで、俄かに荷造をして、それでも暇乞だけは家毎いへごとにして、家毎から御餞別を貰つて、飼馴かひならした籠の鳥でも逃げるかの様に村中から惜まれて、自分でもいたく残惜しさうにして、二三日の中にフイと立つて了つた。 石川啄木『天鵞絨』より引用
  • 手早く荷物を纏めて、この残惜しい野営地を後に雪渓を東に向って下り始める、茫々たる霧は雪と溶け合って、かぎりの知れない鼠色の天地は、眼のあたり尺寸の間に限られて、五、六歩の先に立った南日君の姿さえ掻き消すように失せている。 木暮理太郎『黒部川奥の山旅』より引用
  • といつて、此儘何も言はずに別れるのも残惜しい。 石川啄木『天鵞絨』より引用
  • 奇麗にさらってしまって、井筒にもたれ、井底せいてい深く二つ三つの涌き口から潺々せんせん清水しみずの湧く音を聴いた時、最早もう水汲みの難行苦行なんぎょうくぎょうあとになったことを、うれしくもまた残惜しくも思った。 徳冨蘆花『みみずのたはこと』より引用
  • 残惜しいけれど、仕方がない。 二葉亭四迷『平凡』より引用
  • 余所の犬だ余所の犬だ、と思いながら、何だか其儘聞流して了うのが残惜しくて、思わずパタパタと駈出したが、余所の犬じゃ詰らないと思返して、又頽然ぐたりとなると、足の運びも自然とおそくなり、そろりそろりと草履を引摺ひきずりながら、目的あてもなく小迷さまよって行く。 二葉亭四迷『平凡』より引用