歩き廻る
239 の例文
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自分でも寝込んで了うかと心配したのが、そんなこともなく、平田氏は翌日になると割合元気に起き上ることが出来た。足の痛みで歩き廻る訳には行かなかったけれど、食事など普通にとった。丁度朝飯を済ませた所へ、昨日世話をして呉れた青年が見舞に来た。
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その踏み跡はやがて細くなって消えた。そうなればただもうそのあたりを歩き廻る以外に仕方がなくなっていた。彼女の頭の中には、五色沼と反対方面の大倉沢に迷いこんだらいけないということがあったし、南の風に正対することのつらさもあって、左へ左へと足が向いていった。
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ちょこちょこ歩き廻る左枝子を常に一人は見ていなければならなかった。そして私は左枝子の守りは十五分とするともう閉口した。
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自分でも寝込んでしまうかと心配したのが、そんなこともなく、平田氏は翌日になると割合い元気に起き上がることができた。足の痛みで歩き廻るわけにはいかなかったけれど、食事など普通にとった。ちょうど朝飯をすませたところへ、きのう世話をしてくれた青年が見舞いにきた。
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この方は乗鞍の連峰が遠く四ツ岳の方まで真白につづいていて、すばらしいスキー場をなしている。山の好きな連中があの辺をブンブン飛ばして歩き廻る時代も遠くないだろう。あたりは真白な一月の山が互いに美を競う。
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実在の人間が小説のようにしか僕のものと連結されない。無数の人間の思考・習癖・表情それらが群衆のようにぞろぞろと歩き廻る。バラバラの地帯は崩れ墜ちそうだ。
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実存の人間が小説のやうにしか僕のものと連絡されない。無数の人間の思考・習癖・表情それらが群衆のやうにぞろぞろと歩き廻る。バラバラの地帯は崩れ墜ちさうだ。
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コラコラと二つ重ねていふ時は、頭を下にし足を上にして手で歩き廻ることである。
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このまま帰れば彼らの手中に陥って牢屋へ放り込まれる。どんなにひどい未開地であろうと、自由人として歩き廻る方がよいではないか。もう一度ピサロにどこか工合のいい所で頑張っていてもらおう。
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九月四日から五日にかけての夜、モレル夫人は羽目板に耳をおしあてていた。午前三時まで、夫人は夫がいらいらと部屋の中を歩き廻る足音を聞いていた。三時になってやっと夫はベッドに身を投げ出した。
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客の今日一日に歩き廻る円囲を頭に泛べてみても十五里ほどの円だ。私はこの人を仏だと思ってみていることが、何んだか非常に面白くなって来たようだ。
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とにかくヴァン・チールはよく山や野原を出歩いた。歩き廻るうち見かけたものは何でも心にとめておく。現代科学に貢献しようというよりも、あとで話の種にするためなのだ。
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東京では散歩らしい散歩をしたことはないが、ウルムチのこのホテルに入ると、いつも否応なしに散歩させられてしまう。三十分ほど歩き廻るが、ホテルの従業員らしい女性一人に会っただけである。日光浴しながらの散歩。
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そして新橋へ出たら、そこからまた次々に旧知の街々を訪問しなければならぬ。山代は、今夜自分は足が棒になるほど歩き廻るだろうと思った。自分が生きているという実感があった。
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それでポオルは母親のために、先が牧場に続いている、細長い庭がある家に移ったことを嬉しく思った。毎朝、彼女は食事の後で庭に出て行き、あちこちと歩き廻るのを楽しみにしていた。彼女は事実、そこに生えている草や木を皆知っていた。
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饐えた古沼さながら動きのない宮廷生活からは、到底、受けられない活力が、老いの生理をこころよく刺激するのだ。もっとも身分柄、気軽に江戸の町を歩き廻ることはできなかった。お忍びで、たまには出ても、乗物の前後は厳重な警固に守られていたし、どうやら事前に通達もゆくらしく、寺社の境内は掃き清められ、景勝地からは遊山客も追い立てられて、犬の仔一匹見当らないことが多い。
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その足音がわたしの耳には絶え間なしにきこえる。無数に交錯する足音についてわたしの耳はぼんやり歩き廻る。足音、足音、どうしてわたしは足音ばかりがそんなに懐しいのか。
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