権高なもの
6 の例文
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かなり、裕福な家の女に違いなかった。向い合っていると、威圧されるような権高なものを感じさせる相手である。結局、るいは書状をあずかった。
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それまで、行儀をよくしていた佐島が、急に身体を崩した。「日祥どの」 日ごろ、他人を下に見て、権高なものの云い方をするこの女が、小娘のように甘い声を出したものである。
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「そのようなことがおありだったの」 流石に、母は秀尾に対して面白からぬ様子をみせた。「重通どののところから供をして来たと申しても、奉公人に過ぎぬものを、そなたにそのような口をきくとは、思い上った女よ」 そういう時の母には、斎藤利三の奥方として時めいていた頃の権高なものが戻って来て、白髪のふえた分だけ、気性も激しくなっている。「そなたが輿入れする折に、よい召使の一人二人、おつけ下さればよかったものを、重通どのも養女となると気を抜かれるのか」 その非難は、むしろ重通夫人であるおふくの養母にむけられているもので、暗に気のきかない人だとおふくにいっている。
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それでなくとも、人の口は喋りたくてうずうずしていたところだろう。「手前は今日、蔵前の誰が袖へ行って、首魁と思われる女の人相を訊いて来たのですが、厚化粧だが、なかなかの美女で、権高なものの言い方なぞ、共通しているところがあります」 それよりも収穫だったのは、お供の若党で、 「こちらの人相は、偽の武石敬太郎にそっくりでした」 江戸川で水死体となった男である。
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お前様は京の堂上をどういうものに考えていなさりますの。昔は堂上もきつい権高なものでありましたそうなが、うちつづく戦ささわぎで、国々の所領はみな武家衆に横領され、家やしきも焼かれ、しもじもの百姓町人よりもまだあさましい様子になりさがっているのです。早い話が、わたしをごらんなさい。
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