染め出す

全て 動詞
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  • 間もなく、庭の石灯籠の袋に火が入り部屋の火影が竹林の足を染め出すころになって、女中に伴われ千鶴子たち二人が廊下を渡って来た。 横光利一『旅愁』より引用
  • のぶは細身ないつもは蒼白い顔で頼りない寂しい風をしていたが、何かの機会には情熱に燃えて美しく頬を染め出す女であった。 島田清次郎『地上』より引用
  • その旗は算木を染め出す代わりに、赤い穴銭あなせんの形をかいた、あまり見慣れない代物しろものだった。 芥川龍之介『藪の中・将軍』より引用
  • その旗は算木さんぎを染め出す代りに、赤い穴銭あなせんの形をいた、余り見慣れない代物しろものだった。 芥川竜之介『奇怪な再会』より引用
  • 桂であろう、黄色い落葉が灰色の岩の上に鮮かな斑紋を染め出す。 木暮理太郎『奥秩父の山旅日記』より引用
  • 織模様なればともかく、こんな厚地のしかもうねのあるものに、まるで描いたやうに染め出す事は一方ならぬ技術を要するのであらう。 森田たま『もめん随筆』より引用
  • 秋の末の晩稻を刈る頃から夕日のさし加減で筑波山は形容し難い美しい紫を染め出す。 長塚節『芋掘り』より引用
  • ほかの草木に比べて群を抜いて美しい黄金色を染め出すことから、八丈島では本土で古くから黄色の染色に使われるカリヤスにちなんで八丈刈安と呼んで大事に栽培されている。
  • 忍び装束の色合いを染め出すには、なかなかの苦心がいるのだ。 池波正太郎『火の国の城 下』より引用
  • 夕映を意味深い色に染め出すのです。 ゲーテ/森鴎外訳『ファウスト(上)』より引用
  • アカネ科の低木である、クチナシの果実に由来する染料で染め出す。
  • 多くは木綿地でバティック染めやイカットと呼ばれる独特の絣などで多彩な文様を染め出す美しいもの。
  • 日頃ひごろからなるひさしさえぎられて、菜の花を染め出す春の強き日を受けぬ広きひたいだけは目立って蒼白あおしろい。 夏目漱石『虞美人草』より引用
  • 組織内のメラニン顆粒を脱色することでメラニン顆粒の存在を証明する漂白法、メラニン顆粒を染め出す染色としてフォンタナ・マッソン法などが存在する。
  • 乙種制服は黒色の法被、股引、腹掛であり、法被の左襟と背面に警防団名、右襟に職名を白色で染め出すこととされていた。
  • 足元に落ち重っている新しい笹の枯葉の上に青葉の繁みから日光が洩れて、豹紋のような斑点を染め出す、糸のように痩せた蔭草が青白い茎を抽き出して其上をっている。 木暮理太郎『黒部川奥の山旅』より引用
  • そこへ江戸中期の画工宮崎友禅斎の工夫した友禅の技法が採り入れられ、蘇芳すおうあい、黄土、草、古代紫の五色を基調とし、花鳥風月の絵模様をあざやかに染め出す加賀友禅が育っていったのである。 中村彰彦『明治忠臣蔵』より引用