未だに
全て
副詞
4,533 の例文
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あの日その時刻、家の近くから拾ったタクシーと、有楽町から家の前まで乗ったタクシーの運転手を探してもらうとそれが証明されるとも云った。警察でも探しているのだが、未だに二人の運転手は名乗って出なかった。捜査陣は、たしかに晋吉に対して強い証拠を握っていなかった。
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真っ暗な室内に留守電のランプが点っていることもある。彼女からのメッセージじゃないかと、未だに期待してしまう自分がいる。彼女がぼくと違う時間を生きるようになって、まだ二年しか経っていない。
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民藝品は何も珍らしいものではありませんから、誰もそれを見また知っているはずなのです。それなのに未だに正しい認識がそれに向って加えられてはいないのです。一つには余り見慣れているが故に、特に見なおさないのだとも思えます。
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肉体ほどには、精神が回復していないということ。あの晩に切れてしまった緊張の糸を、未だに繋げていないということか。この調子ではまずいなあと思いつつ、真九郎は購買部に到着。
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二人いた子供は、国外に放り出されて行方しれずになった。殺されたという説も、未だに地下に閉じ込められているという噂もある。そして彼は王になり、自然の恵みの豊かなこの国で、自分勝手なルールを作り出し、とても自堕落な生活を始めた。
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敵は未だに動かないが、ただし上下に動いていた背中の翼は止まった。目が覚めたらしい。
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ささくれだって、眠りに入るなど到底出来ない。どうしてこんなことになってしまったのか、未だに悪い夢の中のようだ。あの女の子を殺したと、自白したことになったことはわかっていた。
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つまり未来人組織は確かに発足したのだ。そして朝比奈さんがいないこの歴史では未だにSOS団は結成されない。なぜ朝比奈さんは来てくれないんだ?
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彼は彼女とは死ななかつた。唯未だに彼女の体に指一つ触つてゐないことは彼には何か満足だつた。彼女は何ごともなかつたやうに時々彼と話したりした。
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医者は私の顔に難色を読んだようで、それ以上は私を追詰めなかった。私はそれで許されたような気持になって、未だに煙草とは縁が切れずにいる。尤も用心するには用心をして、ぶるぶる慄える手つきで、刻みを煙管に詰め詰め喫んでいたこともあったが、今では、ニコチンの弱い、女持ちだといわれる古風な「朝日」を、出来るだけ少量にと心がけ、それも咽喉の奥まで吸込まないで、口中に含むだけにして、煙をパッと吐き出すことにしているのである。
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かなりの間、悩んでいた。翡翠が部屋を去ってからも、俺は未だに眼を開けることが出来なかった。眼を開けたときに、あの夢が現実になるかもしれないという恐怖があった。
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僕はこの家を尋ねたことは前後にたった一度しかない。が、未だに門内か庭かに何か白い草花の沢山咲いていたのを覚えている。滝田君は本職の文芸の外にも書画や骨董を愛していた。
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登極前の放浪生活で色々と苦労はしたようだったが、朱衡の言う“そういう方面”に関しては何も学ばなかったようだ。二十歳も近いのに、未だに初なところが抜けなく、擦れたところが無い。
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戻ってきたらしい。鍔を失った衝撃が続いているのか、未だに呆然とした顔つきをしていた。その顔を長瀬がじろりと見たが、何も言わなかった。
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それは初耳だった。世間一般では未だに不可能と言われる技術が、もう実現しているというのだ。どうして報道されないのか、と草加が尋ねると、男はこう言った。
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そなたの心をわがものとするのには十数年もかけて未だに成功せぬ。そしてアトロパテネで敗れてより、こうやってそなたと再会するにも時間が必要であった。
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しばし止んだ雨の気配に沈む橙色の灯だけは、彼の勤めるどこかにあるはずの店とも共通しているのだろう。彼は未だに、自分が勤めているという店には連れていってくれない。事情があって休んでいるというからには、何か私にはいい難い理由があるのだろう。
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