散る花

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  • 三月ももう末で、仲の町の散る花は女の駒下駄の下に雪を敷いていた。 岡本綺堂『籠釣瓶』より引用
  • 満開になって、ほろほろと散る花の下で、皆で一緒にお茶を飲むのだ。 同人『十二国記』より引用
  • 銅像作品としての出来は遺憾ながら惜しまれて散る花ではなかつた。 木村荘八『東京の風俗』より引用
  • うつつも夢も境なしに散る花の美しさに、あやしくも満たされた心をんでいるのである。 大岡信『名句歌ごよみ[春]』より引用
  • ゴロリと屋根に横になり、刃を思わせる銀の下弦の月と舞い散る花を楽しむ。 言乃葉『出席番号32番 衛宮』より引用
  • 花の植物生理的機能を学んで後に始めて充分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることもできるであろう。 寺田寅彦『科学と文学』より引用
  • 舞い散る花に巻かれながら、二人は路地の奥を目指して歩いた。 浅田次郎『姫椿』より引用
  • 花は桜木人は武士、突風に惜しげもなく散る花の土手には必ず馬に乗った人が現われるのだ。 時実新子『言葉をください 新子の川柳エッセイ』より引用
  • 翌1932年、三枝源次郎監督の『海に散る花』では早くも主役の座を獲得する。
  • うごくのは、散る花と、天守閣にかかる春の白雲だけであった。 山田風太郎『柳生忍法帖(下)』より引用
  • 開く花あれば散る花あり。 大岡信『名句歌ごよみ[春]』より引用
  • 地ひびきをたててはいってきたこの異形の大行列を、心みだして迎えるものは散る花ばかりとみえた。 山田風太郎『柳生忍法帖(上)』より引用
  • 着物は紅の地色に鯉と水の流れ、それに舞い散る花が描かれ、金糸の刺繍が施されている。 畠中恵『おまけのこ』より引用
  • 藪の中に一本大きな赤椿があって、鵯の渡る頃は、落ち散る花を笹の枝に貫いて戦遊いくさあそびの陣屋を飾った。 寺田寅彦『森の絵』より引用
  • それをながめていると、散る花は、まるで意あって水に浮かぶように見えるが、水のほうはべつにその意を迎えるでもなく、無情に花を連れ去ってしまうように思える、というのだ。 森本哲郎『読書の旅 愛書家に捧ぐ』より引用
  • 凛たる白の朝桜を好む年もあれば夕桜と空の色の分かちがたさに惹かれたり、絵のごとき夜桜に濃い夢を見たり、それぞれの桜と関わってきたけれど、散る花こそは捨てがたい。 時実新子『言葉をください 新子の川柳エッセイ』より引用
  • 「ふり行く」のところに歌の中心があるわけで、散る花を雪に見立てて降りを引き出し、そこへ重ねて、古りゆく身を通わせて転換させた技巧である。 久保田正文『百人一首の世界』より引用
  • 彼の境遇としては多すぎる茶代をおいて、編笠を一つもらい、それはただ手に持って、頭のうえにかざしながら、散る花よりもやわらかな雪を払いながら雪の道をどこともなく立ち去った。 吉川英治『宮本武蔵』より引用
  • 元はいま、静かな池の面をなでる柳とか、空にただよう雲とか、銀色の雨とか、散る花とか、そんな題材ばかりでなく、新しい詩をつくったのであった。 パール・バック/大久保康雄訳『大地(3部)』より引用
  • 淡いピンクの渦はたちまち規模を増し、黒雪姫の視界いっぱいを舞い散る花でおおい尽くす。 川原礫『アクセル・ワールド 10 -Elements-』より引用
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