散る中

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  • 燃え残りのマッチの散る中に、白いものがさと動いてななめに一の字が出来る。 夏目漱石『琴のそら音』より引用
  • そんな彼女の前、爆発の余韻よいんである紫の火の散る中から、三つの人影が現れる。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 第03巻』より引用
  • ニレの花がしきりに散る中を、タクシーで出発する。 田辺聖子『ヨーロッパ横丁たべあるき』より引用
  • 血のとび散る中で、必死になって闘っていた。 中上健次『岬』より引用
  • 紅葉の舞い散る中、日本大使館には困った居候が現れ、勝手に居着いてしまった。 神野オキナ『あそびにいくヨ!第04巻』より引用
  • 二人は横たわる〝ともがら〟のしかばねそろって踏み、その火の粉と散る中に着地した。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 第10巻』より引用
  • 何よりも、まずその先頭に立った二人の山伏のすさまじい殺気にきもをつぶして、あわてて左右に逃げ散る中を、武士に囲まれた一梃の駕籠かごが通ってゆく。 山田風太郎『銀河忍法帖』より引用
  • 山吹色やまぶきいろの火の散る中、宙から落ちてきた『吸血鬼ブルートザオガー』が上辺に突き立ち、傾く。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 第04巻』より引用
  • それは花の散る中を歩む獅子ししの図柄で、金蒔絵まきえ螺細らでんで飾り立てられた、気合いの入った一品であった。 畠中恵『おまけのこ』より引用
  • 女たちが弾丸をかわしていっせいに四方に散る中、ジャグルヤはすべるようにして後方に退きながら、右手を前に突きだした。 嬉野秋彦『メフィストの魔弾』より引用
  • 入学式の朝、矢絣やがすりの着物に紺のはかま穿いて、桜がひらひら散る中を足早に校門をくぐる女教師は、小さいときから弓の憧れだった。 久世光彦『陛下』より引用
  • 阿闍梨が京都大廻りを無事に終えてまた山へ帰って行くとき、赤山禅院まで見送った息障講や朝の会の信者たちが名残りを惜しんで三々五々と散る中にあって、西村がいつまでも阿闍梨の後ろ姿に絶叫していた。 長尾三郎『生き仏になった落ちこぼれ』より引用
  • 警護の雇われ浪人の大半が逃げ散る中で、光秀は奮戦し、残る警護を叱咤しつた指揮し、ようやく事なきを得た。 池宮彰一郎『本能寺(上)』より引用
  • 戸外おもては真昼のような良い月夜、虫の飛び交うさえ見えるくらい、生茂おいしげった草が一筋になびいて、白玉の露の散る中を、一文字に駈けて行くお雪の姿、早や小さくなって見えまする。 泉鏡花『湯女の魂』より引用
  • 悠二はって倒れる刹那せつな、美女が自分と同じ角度で斬りかれ、その火花散る中から、小さな人形が飛び出したのを見た。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 第01巻』より引用
  • ワッとおびえて、小児こどもたちの逃散る中を、団栗どんぐりの転がるように杢若は黒くなって、凧の影をどこまでも追掛おっかけた、その時から、行方知れず。 泉鏡花『茸の舞姫』より引用
  • 瓦礫の中から、いち早く身を起こした御門悠二が駆け寄り、粉塵と火の粉散る中から、二人を抱き起こします。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 番外編 かぐやひめのしゃな (灼眼のシャナ 華焔収録 txt)』より引用
  • 夜空に松明の火の粉が散る中、具足、旗指物、馬の鞍、鐙、鞭まで赤一色の装束の井伊兵は、脱兎の如く西に向かって走った。 茶屋二郎『遠く永い夢(下)-関ヶ原 戦勢逆転の真実-』より引用