散るもの

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  • ますらをは花と咲き、また花と散るものぢやよ。 坂口安吾『探偵の巻』より引用
  • 普通は花が咲くのを好みますけれども、日本人だけは「散るもの」を好んだといいます。 李御寧『「縮み」志向の日本人』より引用
  • 毛が散るものはいやっ! 田辺聖子『ブス愚痴録』より引用
  • 「気は必ず散るものであり、二度と集まることはない」と儒学では定義しているが、これは仏教における輪廻転生という再生産を否定するためのものである。
  • 敵は飛び道具も持っていなければ、ギラギラ光る刃物も見えず、背後には狼の声もないので、二人は気の散るものがないらしい。 ストーカー/平井呈一訳『吸血鬼ドラキュラ』より引用
  • 鷹が峰の光悦家を尋ねた折、折から満開の桜の散るのを見て光悦の御茶の規則に従つて散るものと思つたのである。 平野万里『晶子鑑賞』より引用
  • そういう分裂をもったままこの主人公は、公儀からの出頭命令のあった日に、「散るものに極る秋の柳かな」の一句を残して死んでゆく。 唐木順三『無用者の系譜』より引用
  • 曇ったガラス越しにかすかに白く舞い散るものが見える。 森永あい『原作/塚本裕美子 著 山田太郎ものがたり たのしいびんぼう』より引用
  • 花は散るもの、人は死ぬもの、生者必滅のことわり知らぬわけではないが、あまりといえばおとうちゃんの死は唐突だった。 青島幸男『人間万事塞翁が丙午』より引用
  • 死にのぞんでさえいきがっていると見るよりは、秋の露といえばはかなく散るもの、人の命もかくのごとしという、古くからの哀傷歌あいしようかの伝統をまえた上での、死ぬなら秋という心意気をんだとみるべきだろう。 大岡信『名句歌ごよみ〔秋〕』より引用
  • 花は散るものであるがゆえに、一瞬の美であるがゆえに、一期一会の切実な心持でそれを眺めるようになるからです。 李御寧『「縮み」志向の日本人』より引用
  • 美しいほど、早く散るものである。 柴田錬三郎『(柴錬立川文庫4) 忍者からす』より引用
  • 怒鳴っても、ステッキを振り廻しても、散るものではない。 上林暁/坪内祐三編『禁酒宣言 ―上林暁・酒場小説集』より引用
  • くだけ散るもの、吹き飛ぶだけのもの、足を止めたも出は背後から仲間にみっけられ、乗り越えられていく。 雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス11 インパクト・ガールズ』より引用
  • 日向ひなたに咲く牡丹は一身に愛を集め、月夜に一瞬だけ咲く月下美人は誰の目にも留まらずに散るものだ。 池上永一『テンペスト2 花風の巻』より引用
  • それが、多江に残した、壬生のせめてもの心やりとして、多江は、微笑さえ浮べて、花は散るものと、深く胸中にきざみつけました。 中里恒子『時雨の記〈新装版〉』より引用
  • 異常な沈黙のうちに、掛り合いを恐れて逃げ散るもの、好奇心に引きずられて現場をのぞくもの、右往左往する人波が、不気味な動きを、際限もなく続けているのです。 野村胡堂『銭形平次捕物控 17』より引用
  • やはり伏見にある本多佐渡守の屋敷の門に、さきごろから、「かぎりあれば、吹かねど花は散るものを、心みじかき春の山風やまかぜ」という季節はずれの歌を書いた色紙がられ、見る者の首をかしげさせていたが、それがある日、別の色紙に変った。 山田風太郎『叛旗兵』より引用
  • そこで、落ちた花は已に死んだ母上、咲いて居る花は父上、蕾ながら散るものは、此愛護の身の上であると考へて「恨み言書きたしとて、ゆんでのこゆびくひきり、岩のハザマに血を溜め」恨み言を書きとめる。 折口信夫『愛護若』より引用