散るころ

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  • ここの桜の散るころの、やるせないような思いも、胸にいて来た。 徳田秋声『新世帯』より引用
  • 白梅の散るころ、明るく輝き出した目のなかに、お葉はその青年の姿を見たのだつた。 素木しづ『三十三の死』より引用
  • 桜の散るころから降り出した雨が小止こやみになったかと思うと、また空が濡れる。 皆川博子『恋紅』より引用
  • 宮様の涙は風の音にも木の葉より早く散るころであるから、まして源氏の歌はお心を動かした。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • 蕾のころか零れ散るころかがわたくしの心に叶うてゐる。 室生犀星『冬の庭』より引用
  • 長年の花粉症の人から聞くところによると、桜が散るころにはだいじょうぶになるんだそうで、花粉症がこんなにつらいものだとは知らなかった。 姫野カオルコ『終業式』より引用
  • 桜が散るころ、東から電話が入った。 小林信彦『怪物がめざめる夜』より引用
  • はんげ神社の桜が咲き、散るころには、隼子はもう桐野のことを思い出すことはなかった。 姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』より引用
  • 湖畔こはんのサロウの花がり、野を一面の黄色にめていたノサンの花も散るころになると、ジョウンは一番近い農家から馬を一頭りてきた。 上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編』より引用
  • やがて、夜どおし陣ノ内に立武者していた滝口や六波羅の人数がくずれ去って散るころは、陽もギラギラと淡雪の道は泥にけだしていた。 吉川英治『私本太平記』より引用
  • これがこれから咲き乱れて、いいにおいをさせて、それからそれが散るころ、やっと避暑客ひしょきゃくたちが入りんでくることでしょう。 堀辰雄『美しい村』より引用
  • 種まきは首都圏以南では、秋の彼岸ころ、高冷地や東北・北海道地方では、ソメイヨシノが散るころにまくのがよい。
  • 霜が降りて銀杏の葉が散るころには、好太郎さんのうちの屋根は落葉でいちめんに覆われて、黄色い屋根になっていた。 井伏鱒二『黒い雨』より引用
  • 叔父の大旅行がおこなわれたのは葉の散るころのこと、そのころ彼は北のほうで貸し金を集め、注文をとり、ロンドンからエジンバラへ、エジンバラからグラスゴーへ、グラスゴーからもどってエジンバラへ、そこからスマック船でロンドンにもどってきました。 ディケンズ/北川悌二訳『ピクウィック・クラブ(下)』より引用
  • 四月の半ば、桜の花が散るころ、わが故郷には西南の微風がもたらした細雨が、しとしとと降ることがある。 佐藤垢石『わが童心』より引用
  • 少くとも会うよろこび、やがての倦怠、秋の木の葉の散るころは、あの公園も今は思い出という離別と、あくびの出る定型ではないでしょうから。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用