敢ない

全て 形容詞
18 の用例 (0.00 秒)
  • が、十数秒の短い時刻で、あえなくもお照は動かずなってしまった。 海野十三『電気風呂の怪死事件』より引用
  • 主殿の考えは、そういわれると、あえなく崩れた。 吉川英治『大岡越前』より引用
  • 数としては、少なかったともいえるが、馬超の心をひどくくじいたものは、かの旗本八旗のうちの程銀ていぎん張横ちょうおうのふたりがあえない死をとげたことだった。 吉川英治『三国志』より引用
  • 父上、願ふは此世の縁を是限これかぎりに、時頼が身は二十三年の秋を一期に病の爲にあへなくなりしとも御諦おんあきらめ下されかし。 高山樗牛『滝口入道』より引用
  • 提灯が消えてしまったからとて、無事でいるならば、あのお喋り好きが何か文句を言い出さない限りはないのに、それが一言も言わないのは、かわいそうに、これも狂人の刃にかかってあえなき最期さいごを遂げたのか。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • あえなく石を横へ捨てて、伊織は無性むしょうに逃げ出していた。 吉川英治『宮本武蔵』より引用
  • それとは知らぬ番僧どもは、有無うむもいわさず、叩き伏せ叩きのめしてしまうと、もろくもあえなき最期さいごを遂げた。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • その後、佐竹の奥方が夫君はこの寺に隠れているものと信じて、ひそかにたずねて来て見ると、右の始末であえなき最期さいごを遂げてしまったということが明瞭になると、そのままこの雪隠の中へ入って自害を遂げてしまった。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 老将王威もまた、大勢に囲まれて、あえなく討死し、そのほか随身すべて、ひとりとして、生き残った者もなかった。 吉川英治『三国志』より引用
  • そのため楊任ようじんは、ふたたび陽平関さして、戦いに帰って行ったが、途中、猛進してきた夏侯淵と出会って、これもまた敢なく路傍に戦死してしまった。 吉川英治『三国志』より引用
  • ながれの女は朝鮮に流れ渡つて後、更に何處いづこはてに漂泊して其果敢はかない生涯を送つて居るやら、それとも既に此世を辭してむしろ靜肅なる死の國におもむいたことやら、僕は無論知らないし徳二郎も知らんらしい。 国木田独歩『少年の悲哀』より引用
  • 目を見開いて僕の顔を認めると、忽ち博士は闘志満々として拳を振り振り立ち上つたが、よろめき乍ら敢なく空気を蹴飛ばして三回ばかり空転からまわりののち、ギュッと再びのびてしまつた。 坂口安吾『霓博士の廃頽』より引用
  • そこで、聡明であろうと、誰も心がけるが、たまたま、その聡明を欠いている又八などが、あえなくも大蔵の巧言にのせられて、金のために、おそろしい冒険へみずから向って行ってしまった。 吉川英治『宮本武蔵』より引用
  • しかし、事こころざしとたがい、味方は山崎にやぶれ、大殿も昨夜小栗栖おぐるすのあたりであえなき御最期と聞く。 吉川英治『新書太閤記(八)』より引用
  • そこで山内上杉の顕定は長尾為景討伐のために越後に進入したが、あえなく敗死を遂げた。 菊池寛『日本武将譚』より引用
  • しかあまりに瘡痍其物きずそのもの性質せいしつ識別しきべつした醫者いしやは、かれ其果敢そのはかないこゝろうつたへる餘裕よゆうあたへずにかれあたまからおさへやう揶揄からかうた。 長塚節『土』より引用
  • と一生懸命に組付いて長二の鬢の毛を引掴ひッつかみましたが、何を申すも急所の深手、諸行無常と告渡つげわたる浅草寺の鐘の冥府あのよつとあえなくも、其の儘息は絶えにけりと、芝居なれば義太夫ちょぼにとって語るところです。 鈴木行三『名人長二』より引用
  • レーブ、カルの両人りやうにんは、吾々三人われわれさんにん神徳しんとくおそれ、ウンと一声其場ひとこゑそのばたふれ、あへなき最後さいごげにけり。 出口王仁三郎『霊界物語 rm 41 20080623』より引用