控えさせ
118 の用例
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彼も文士の気心を知ってきた。
松本学の存在が内務省の手出しを控えさせたと考えることも可能である。
とするならば、松本学よ、以て瞑すべし。
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和田利夫『昭和文芸院瑣末記』より引用
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図を外さず、藤吉郎は別間に控えさせておいた治郎左衛門を連れて来た。
吉川英治『新書太閤記(三)』より引用
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あいつがいなくなったら、キャサリンはひどく苦しむだろうかしら、お前は心の底を割って判断して欲しい。
彼女が苦しみやしないかと思う懸念が、私の手を控えさせるのだ。
私とあいつとの感情の相違はそこだよ。
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エミリー・ブロンテ/大和資雄訳『嵐が丘』より引用
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しかし不用意に騒ぎ立てると万が一懐妊していないときの失望は大きい。
慎重に慎重を重ねてほぼ確信できるまで往診を控えさせていた。
そして真鶴が悪阻を起こしたとき、勢頭部は思戸に報告した。
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池上永一『テンペスト2 花風の巻』より引用
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実際、死んだ祖母さまよりも常に側に控えさせていたらしい。
朱志香に言わせると、祖父さまはどんな肉親たちよりも信頼しているという。
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竜騎士07『うみねこのなく頃に Episode 1 The Legend of the Golden Witch [A3879D13]』より引用
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いかなる厳戒下であろうとも、聖職者に銃を向けたり、乱暴な行動をとれない。
何百年来の先祖から受けついだ血が、自然にそのような行動を控えさせるのだ。
両国の兵隊に埋め尽くされたような町を通りすぎると、やがて大きな城門があった。
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胡桃沢耕史『翔んでる警視正 平成篇4 ランバダに酔いしれて』より引用
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しかし、市場を完全に読み違えるという致命的な戦略ミスにより、たちまちに他2機の勢いに引き離された。
その結果、サードパーティーの参加を控えさせソフトの数も伸び悩んだ。
要因は以下の2点である。
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すると、ミス・プラットは自分の言葉で伸子を後に控えさせるようにした。
宮本百合子『伸子』より引用
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管長は優雅にうなずき返すと、閼伽鉢を取って、聖水を判事に振りかけた。
判事は三人の助手を後ろに控えさせて、椅子に腰をおろした。
要塞の隊長、クー・モンピン、それに他のおもだった市民たちが席を起ち、判事の前に来て丁重に礼をした。
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フーリック/大室幹雄訳『中国黄金殺人事件』より引用
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抗争を控えた時期だ。
ビル内の店舗を閉店させたのは、 1階に兵隊を控えさせる為だったのか!?
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暁works『るいは智を呼ぶ① 皆元るい』より引用
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諏訪左衛門の名が出た以上、ほうっては置けなかった。
武士たちは二人をひとまずその場に控えさせて置き、諏訪左衛門にそのことを伝えた。
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新田次郎『新田義貞(上)』より引用
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警視庁への不敵な脅迫状の筆跡は、どこか金釘の匂いがないでもない同心のそれとちがって、枯れて、しかも水のようにうるわしいみごとなものであった。
しかし、川路がそれ以来なお右同心の捕縛を控えさせたのはそのことではない。
その同心の背後に、もう一つの影が浮かんで来たからだ。
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山田風太郎『警視庁草紙(下)』より引用
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また出版社の関係者は退職をせざるを得なくなり、会社自身も2000万マルク以上の経済的損失を被ってしまった。
ヒトラーは自室の側に速記者を控えさせ、側近との談話を記録させていた。
これらは「ヒトラーのテーブル・トーク」と呼ばれ、1942年と1945年2月の一部が発見されている。
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法泉と対面した紫は、警戒心を隠そうともせず、睨みつけるようにしてそう言った。
もしものときは盾にする、という理由で、真九郎は彼女の側に控えさせられている。
紫のそんな態度を見ても、法泉は自分の孫に対するように微笑んだ。
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片山憲太郎『紅 第01巻』より引用
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グレグソンはすぐ近くに担架と四人の男を控えさせていたようで、呼ぶなり部屋に入ってきた。
その見知らぬ男は乗せられ、運ばれていった。
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ドイル・アーサー・コナン『緋のエチュード』より引用
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俺は胸から手を離し居間に向かった。
居間では琥珀さんを側に控えさせ秋葉がお茶を飲んでいる。
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奈須きのこ『歌月十夜 57 百合姫』より引用
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カークは二人を一緒に控えさせて、顔をしかめながら、司令席の後ろで行ったり来たり歩き始めた。
ジェイムズ・ブリッシュ『11 惑星ゴトスの妨害者』より引用
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おれたちをここに来るのを控えさせたのは、ただ、おれたちとお前との間に起ったことを恥じる気持からだけだった。
だが今おれたちは無上に後悔しているよ。
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佐藤正彰訳『千一夜物語 06』より引用
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だが、船長、言っときますがね、二度とこんなわけにゃいきませんぜ!
こっちだって番兵も立てるし、ラムだって少しは控えさせますからね。
あんたのほうでは、わっしらがみんな酔っぱらっていたと思っていなさるかしれねえが、わしは素面でしたぜ、はっきり言っとくがね。
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スティーヴンスン/田中西二郎訳『宝島』より引用
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おこなを喜久壽の所に返そうかと思ったが、おこなは嫌やだと言う。
仕方なく夜の外出は控えさせ、お座敷へは箱屋の六助に送って貰うことにした。
留守の間も心配なので増蔵の子分の正吉に毎日、一刻ほどいて貰うことにした。
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宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 さらば深川』より引用