探し廻る
34 の例文
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聞けば一時半ほど前、探しに来た矢野伊助の口から小山田失踪の事を知ったという。杉野が訪れた理由は、その探し廻っていた矢野が帰らないためであった。中田ら三名以上に衝撃をうけた矢野は、臆病風に誘われて、夕刻近く逐電したらしい。
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英語では鳥が何と鳴くか、それをお父さんがなかなか教えてくれないから、自分で図鑑を調べてみる気を起した。本棚を探し廻ったが本がたくさんありすぎてとても手に負えなかった。そこで退屈半分、整理箪笥の抽出を明けてみたり、椅子に乗って天袋を開いてみたりしているうちに、たまたまその箱を見つけ出した。
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ただ警察は、今日に限って、どうしてやたらに先生を探し廻るんですか?
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有明荘やホテルばかりではない。およそ皇帝が立廻られたと思うところは残るくまなく探し廻っていたのだ。
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あれから僕は、一晩中飲んだくれのチンドン屋を探し廻ったんですよ。その結果、これはまだ内密の話なんだが、大変な発見をしたんです。
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あなたは私に云われて始めて気が付いたように工場の中を探し廻ったというじゃありませんか。そうして漸くそれを出版する丈に纏めたのだそうですね。
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高橋を中心に三人が探し廻ったが、そんな男の姿を見たという者にも会わない。「大金を奪られて逆上したんだろうが、妙な量見を起さなけりゃあいいがな」 あいにく、このあたりには番屋もない。
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またエルロック・ショルムスもいるかもしれない。しかし少年は二週間ばかり一生懸命に探し廻ったが、その後何も分らない。少年はもう駄目なのかしらと思って心配し出した。
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武器を持った土人どもである。すぐに彼らは一団となり、何か大声で喚きながら、地上を熱心に探し廻る。紋太夫の死骸を探すのでもあろう。
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その様な原因を考えるのは恐かった。そこを考えないように逃げながら、外の事を考えようと探し廻る。外套の内で、指を曲げたり伸ばしたり強直させたりしながら足早に歩いた。
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新吉は日が暮れてから帰って来た。いくら探し廻っても白熊親仔に会うことはできなかったのである。新吉に村の古老が云った。
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なまなか昔を知ったからとて、今に望むのはまったく無理な注文である。日本中探し廻ったとて昔三百年前に見たような茶碗の作人は一人もいないのである。豊太閤が大茶会をやったような時代の空気は今の社会には求められないのである。
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風間と自分とは殊に深い友人だった。松風号の行方不明になった時も、あの位方々を探し廻ったほどだった。松井田がたとえ気が変になっているとしても、せめては風間真人の消息だけでも何とかして知りたいものである、と相良は述べたてた。
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私は洋服箪笥の中まで調べてみて、少しばかり安心した。私が探し廻っている間じゅう、ユリ子さんは平和な寝息を立てていた。私は廊下に出た。
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たしかに世界の進行のカーブは類例のない暗転の舞台に入りつつあるのだ。しかも、舞台を停めようとする無数の手は押すべきボタンを探し廻って分らぬのである。ただ世界はあるがままの姿をとってひとり暗澹と廻っているだけなのだ。
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その中に地方の中学教員の口があるが行かないかと書いてあった。この朋友は経済の必要上、自分でそんな位地を探し廻る男であった。この口も始めは自分の所へかかって来たのだが、もっと好い地方へ相談ができたので、余った方を私に譲る気で、わざわざ知らせて来てくれたのであった。
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彼女は、どういう態度を取ったものか解らない様子で、その端に腰を降した。それからその男は、あちこちと探し廻って、一枚の紙を出した。「これはお前さんが書いたのかね、」と彼は、ポオルの前にその紙を差し出して、不機嫌そうに聞いた。
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