振り上げる
全て
動詞
443 の用例
(0.00 秒)
-
伊月が拳を振り上げたとき、ミチルが戻ってきて不思議そうな顔をした。
彼女の手には、中サイズのゲルがある。
…
椹野道流『鬼籍通覧1 暁天の星』より引用
-
少し離れて、勢いをつける。
ボールを蹴るために足を振り上げたのに、忠志は反射的に判断を下した。
…
若月京子『トラブル・トラブル』より引用
-
オコシップは「もう一間」、「もう一尺」と、じりじり近づいてゆく。
五間に迫ったとき、熊は気配を感じたらしく頭をにょっきり振り上げた。
そこを狙って伏せた姿勢で矢を放った。
…
上西晴治『十勝平野(上)』より引用
-
女は男の顔を見て、ガラス板に手を振り上げ、力なくそれを下ろした。
若竹七海『依頼人は死んだ』より引用
-
行き場のない怒りに目をギラつかせている。
振り上げられた拳のはけ口に、自らが立候補しているようなものだった。
しかし、いったん口にした言葉は引っ込められない。
…
垣根涼介『ヒート アイランド』より引用
-
シェリーの右手が一閃する。
その巨大な拳が、地を這う虫を押し潰さんと再び大きく振り上げられる。
…
鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第06巻』より引用
-
怒りのためであった。
振り上げた警棒が左頬を殴打にくると見て、萩生は彼の背後へ移動した。
…
菊地秀行『妖戦地帯1 淫鬼篇』より引用
-
八巻の視線は、敦樹の口と手元のナイフを往復する。
そして何かに取り憑かれたかのように、八巻は片手でナイフを振り上げた。
だがその時にはもう、敦樹は一歩踏み込んでいた。
…
伊都工平『天槍の下のバシレイス1 まれびとの棺 〈上〉』より引用
-
ブライアンは起きあがり、一弥の上にのしかかった。
拳を振り上げて殴打しようとしたとき、少年がなにか叫んだのが聞こえた。
…
桜庭一樹『GOSICK 第4巻』より引用
-
初めは大きな声でいうつもりが尻すぼみになり、そのまま立止っていると、セーラー服の女学生が横に一列に並んで近づいてきた。
なにが可笑しいのか、手にもった鞄を大きく振り上げながら笑っている。
上の娘とちょうど同じ年頃である。
…
渡辺淳一『ひとひらの雪(下)』より引用
-
気がつけば、上条の右手は動いていた。
拳を振り上げてから、自分がアルミ製のバーを握ったままだと思い出した。
しかし、上条はそのまま手を止める事はなかった。
…
鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第17巻』より引用
-
懐かしい声がかけられて、わたしは振り上げていた拳をぴたっととめた。
恐る恐る声がしたほうを振り返る。
…
高殿円『カーリー 2 二十一発の祝砲とプリンセスの休日』より引用
-
ほんの一瞬、ハリーも杖を振り上げたままのリドルも、日記を見つめた。
そして、何も考えず、ためらいもせず、まるで初めからそうするつもりだったかのように、ハリーはそばに落ちていたバジリスクの牙をつかみ、日記帳の真芯にズブリと突き立てた。
…
ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 02 ハリー・ポッターと秘密の部屋』より引用
-
振り上げ切られようとした八号の両手が、こちらの膝を左右から挟んだ。
彼女の両手が止まった。
…
川上稔『AHEADシリーズ 05 終わりのクロニクル③〈上〉』より引用
-
バルゲスが、より凶悪な形状に変化した爪をその太い腕ごと振り上げる。
榊一郎『神曲奏界ポリフォニカ 第2話』より引用
-
武蔵がいうと、城太郎は濡れた顔を振り上げて、武蔵の袂を引っぱった。
吉川英治『宮本武蔵』より引用
-
ルシンダはさっと顔を赤らめた。
頭にきたのか、急に手を振り上げると、リディアの頬をぴしゃりと打つ。
…
谷瑞恵『伯爵と妖精 第11巻 花嫁修業は薔薇迷宮で』より引用
-
しかし歯車の軋む音も同時に聞こえてきて、雰囲気を台なしにしていた。
将校は、この邪魔な歯車に驚いて、拳を振り上げ脅すような真似をした。
それから腕を広げて、旅人に謝るような素振りをした。
…
カフカ・フランツ『処刑の話』より引用
-
カンはじっとカークを見つめ、それから自分の剣を振り上げて前進した。
カークはそのまま立ち尽くした。
…
ジェイムズ・ブリッシュ『11 惑星ゴトスの妨害者』より引用
-
なにが起こったのかは分からなかった。
ただ、目の前に現れた輝く巨人が、腕を振り上げたところまでは見ていた。
獣精霊が砕け散った、その炎の砕片が風に溶け、火の粉となり、消えていく。
…
秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第03巻』より引用