振りまわす
全て
動詞
257 の用例
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そういえば、耕太は女性に振りまわされることには慣れているのだった。
ちずるの姿を思いうかべて、それで覚悟が決まる。
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西野かつみ『かのこん 第02巻 ~はじまりはじまり~』より引用
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そして、天剣になった。
大人の武芸者でも手に余りそうなほどの大きさとなった剣を振りまわす。
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雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス08 ミキシング・ノート』より引用
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私は肩をすくめ、露地から出た。
警棒を振りまわした制服警官が二人、私のほうに駆けてくるのが見えた。
あたりのバーやキャバレーや飲み屋から、ボーイや女給が顔を出して、私のほうを指さしている。
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大藪春彦『名のない男』より引用
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十メートルほど先の、細い路地の入り口で誰かがひとり仰向けに倒れている。
何かにあらがうように、両腕を振りまわしているのがぼんやりと見える。
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田中啓文『私立伝奇学園高等学校民俗学研究会その3 天岩屋戸の研究』より引用
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李逵は返事もせずに、竹棹を振りまわしてその男にうちかかって行った。
男がとびこんできてさっと竹棹をうばいとると、李逵は男の髪をむんずとつかんだ。
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施耐庵/駒田信二訳『水滸伝(三)』より引用
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父はその入学にもついて行き、さらに、弱い子だったのを心配して「ケンクワノシカタ」というものを書いて渡した。
ハンカチに石を包んで振りまわすという方法も書いてあったそうである。
大学予科に入るころには、「議論の仕方」を教えた。
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秋山加代『辛夷の花──父 小泉信三の思い出──』より引用
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ソフィーは怯えた表情になり、今にも爆発しそうな爆弾のように、おっかなびっくり抱きとりました。
モーガンはそれが気にくわなかったとみえ、両腕を振りまわしています。
小柄な王女が小さな両手をカーテンにかけているあいだに、モーガンはさもいやそうな表情を次々に浮かべ、大きなゲップをしました。
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ジョーンズ『ハウルの動く城02 アブダラと空飛ぶ絨毯』より引用
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街路樹に柳を栽えている町はあるが、その青い蔭にも今は蝙蝠の飛ぶを見ない。
勿論、泥草鞋や馬の沓などを振りまわしているような馬鹿な子供はない。
こんなことを考えているうちに、例の馬力が魔の車とでもいいそうな響きを立てて、深夜の町を軋って来た。
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岡本綺堂『薬前薬後』より引用
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彼女に言わせれば、カイラスも野獣もジャイアンツも不景気もすべて知ったことではなくて、とにかくこの「夏休み」という化け物が早く終わってくれることを願っていた。
これ以上昼間の時間を子供たちに振りまわされるのは、耐えられない。
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中井拓志『アリス Alice in the right hemisphere』より引用
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視線を据えたままじりじりと退って、今は彼のうしろは行き詰りであった。
唇を鳴らして、白い手を振ったり拡げたり、前後に振りまわしたりした。
それにも拘らず相手はまた一歩前に出て了った。
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本庄陸男『石狩川』より引用
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そのヤンのほうはといえば、ハイネセンを脱出して以後のことは未だ明確な構想をいだいていなかった。
第一、状況の激変に振りまわされていて構想などたてようもなかったのだ。
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田中芳樹『銀河英雄伝説 06 飛翔編』より引用
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手紙は彼女の手ににぎられていた。
彼女はそう叫んでいるあいだ、ずうっとそれを振りまわしていたのである。
グルーシェンカは彼女から手紙をひったくると、ろうそくのそばへ持っていった。
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ドストエフスキー/北垣信行訳『カラマーゾフの兄弟(2)』より引用
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反対する者がいなかったので、いい気になって涼子が指揮権を振りまわす。
ホセ・モリタはどうしても自分のスイートに私たちを入室させる気はなさそうだった。
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田中芳樹『薬師寺涼子の怪奇事件簿04 クレオパトラの葬送』より引用
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「まあ、おまえは哲学なんか振りまわさないほうがいいね」彼はいった。
トルストイ/木村浩訳『アンナ・カレーニナ』より引用
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わしはどんなにか、奴ら犬畜生どもにむかって拳を振りまわしたことか!
いつかわが軽騎兵とわしとで、この借りは返してやるぞと、どんなにか誓ったことか!
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ドイル/秋田元一訳『豪勇ジェラールの冒険』より引用
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とにかく、こいつが犯人やと判断したら躊躇なく逮捕すること。
それも犯人がピストルを振りまわすようなことにならんうちに逮捕するんや。
ただの誘拐犯と違うところはここや。
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黒川博行『二度のお別れ』より引用
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まぶしい太陽の白い光の前を魔法の雲が横ぎるたびに中が透け、やせた二人が中央でとっくみあっているのがよくわかりました。
ソフィーはじっと見ながらも、杖を持つ手は背中で振りまわしていました。
足以外が全部自由になったとき、雲にもう一度光線があたり、中から金切り声があがりました。
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ジョーンズ『ハウルの動く城01 魔法使いハウルと火の悪魔』より引用
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越智茂吉が立ち上がったとき、市民は彼を支持した。
だが支持しただけで、自ら先頭に立って革命の旗を振りまわしたわけではない。
猫に鈴をつけるのは大賛成だが、自らがつけ役になるのは、まっぴらごめんである。
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森村誠一『野性の証明』より引用
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小兵衛は刀をひっさげたまま、平然として、つかつかと田島浪人へ近寄って来た。
たまりかねた田島が夢中で刀を振りまわしたけれど、どうにもならない。
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池波正太郎『剣客商売 12 十番斬り』より引用
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高次は龍馬を妙な男だと思った。
土佐の侍であれば、攘夷を叫んで刀を振りまわしていてもおかしくない。
だが太平洋を渡った高次を素直に羨ましいといい、これから本気で船をやりたいという。
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二宮隆雄『海援隊烈風録』より引用