拭く
全て
動詞
909 の用例
(0.01 秒)
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涙を拭こうにも、手は明の体を抱きしめていて動かせない。
・・・それに次から次からあふれてくる涙に、もはや拭く気はなかった。
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むぅ『「未来に向かって」』より引用
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血を拭きもせずにきやつらの枕元に、 置いてあるのが見つかりました。
シェイクスピア/大山俊一訳『マクベス』より引用
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子供を湯に入れていた嘉助が戻って来て、汗を拭きながら首をかしげる。
平岩弓枝『御宿かわせみ 05 幽霊殺し』より引用
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がっしりした丸坊主の男は、われわれ二人の気づかないうちに戻ってきていた。
彼はわたしの手を取って湯から上がらせ、タオルをくれて体を拭かせた。
そして寛衣と、私物を入れた帆布の袋もくれたが、袋には燻蒸消毒の強い匂いがついていた。
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ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書4』より引用
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ぼんやりと手を動かしているうちに窓拭き仕事が終っていたらしい。
鈴木大輔『おあいにくさま二ノ宮くん 01』より引用
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しかしふと彼の年齢を考えると、複雑な思いがこみあげてきたのである。
ある日、社長の座っている机を拭こうと、雑巾を持って近づいていった。
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群ようこ『無印おまじない物語』より引用
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父はくすり指でこんこんと扉をたたいてから、ふらりと台所に入ってきた。
そして見えないガラスでも拭くように目の前で右手をひらひらさせた。
きたことを知らせるなという意味だろうか。
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柳美里『フルハウス』より引用
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二人ともガニ股で歩き、ちょっと動くたびに顔をしかめた。
タオルで頭を拭きながら、二人がこぼしているのがハリーの耳に入った。
「俺のは二、三個潰れたな」フレッドが虚ろな声で言った。
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ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 05a ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上)』より引用
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もちろんハグリッドは一年生を引率して湖を渡るのに奮闘中だろう。
マクゴナガル先生は多分玄関ホールの床を拭くのを指揮しているのだろう。
しかし、もう一つ空席がある。
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ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 04a ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上)』より引用
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「順子さーん」と、二階の踊り場から拍子抜けするほど明るい滝子の声がした。
順子は慌ててエプロンで手の汗を拭くと、部屋の外へ飛び出して行った。
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小池真理子『仮面のマドンナ』より引用
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これは不断片附けてある時は、腰掛が卓の上に、脚を空様にして載せられているのだが、丁度弁当を使う時刻なので、取り卸されている。
それが食事の跡でざっと拭くだけなので、床と同じ薄墨色になっている。
一体役所というものは、随分議会で経費をやかましく言われるが、存外質素に出来ていて、貧乏らしいものである。
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森鴎外『食堂』より引用
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そこにいる間にいろんなものをひととおり調べたけど、これと言ったものは何もなかった。
ほかに布きれめいたものといえば、車を拭くのに使う白いタオルだけだ。
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パトリシア・コーンウェル『証拠死体』より引用
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これは感情の温度なのだろうか、とジュウは思った。
顔を拭こうとハンカチを探し、持っていないことに気づいて服で拭いた。
また涙が溢れてこないよう思考を制御しながら、ジュウは公園内をあてもなく歩いた。
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片山憲太郎『電波的な彼女01』より引用
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自分のパンツで血を拭こうとする俊夫の手をつかみながら江美は言った。
中場利一『えんちゃん 岸和田純情暴れ恋』より引用
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政義は天井に顔を向けて叫び、流れ落ちる涙を拭きもせずに泣き続けた。
しばらく、政義がそうしている間も医者は眉間に皺を寄せ、政義の涙が涸れ果てるまで黙って目を閉じていた。
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乙一『夏と花火と私の死体』より引用
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彼女の姿は、おれには寒いとは思えなかったのだが。
まもなく彼女は、服をきちんと着て、タオルで髪を拭きながら出てきた。
おれは乾いたタオルで、それを手伝った。
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ハインライン『動乱2100』より引用
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栓をひねって、冷たい水をごくごくと飲んだ。
それから濡れた口のあたりを掌の甲で拭き、その手をハンカチで拭いた。
グラウンドに面した窓から、照り返る日射の余熱がかっと射し込んでいる。
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福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
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お風呂に入れないとその点こまります。
アルコールを貰って水にわって体を拭くことは出来ないものでしょうか。
私は今月の初めからずっときのうまで非常に忙しく沢山勉強もしたし、自身で堪能するだけ書くものにしろ深めたものを書いたので、読んでいただけないのがまことに残念です。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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それでも自分の机のまわりの他の人の机を拭かなければならない。
うがいから戻ってきたハットの鎌田が、ズボンのポケットに手をつっこんだままぼくの机の上を眺めていた。
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椎名誠『新橋烏森口青春篇』より引用
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浩一は持っていた杯を落としてしまった。
杯にまだ残っていた酒が、ズボンを濡らしたが浩一は拭こうとはしない。
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姉小路祐『殺意の法廷』より引用