手を焼く
143 の例文
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「ドクター・ワッツに言われたとおりにしました」 ドクター・ワッツは開業医で、検屍官に任命されている州内の五百人の医者の一人だ。彼はその中で、私が最も手を焼いている十人のうちの一人でもあった。さきほど警察から連絡を受けるとすぐに、彼は私に電話してきた。
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雑魚は別にして、おまえが斬った者たちは、それぞれに毒を持っていた。それらの毒が集まって由比正雪になっては、公儀も手を焼くことになる。毒はまとまらないうちに始末すべきだ。
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クラシックは、ひとりひそかに聞くものだという考え方になってしまっていたのである。そのうち私の父が死に、その借金だらけの会社のあとしまつに手を焼いた。それが一段落するころ、私は碁に熱中していた。
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あっちへ行ったら、こいつがどんなに力がなくたってあんたは手を焼くよ。突っ走りはじめて、どこへ連れて行くかわかりゃしないよ。
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こんなふうに一人で波のように切れ目なく喋った後、すうっと黙ってしまうのは、姉にとってよくない傾向だった。彼女が自分で自分の神経の強張りに、手を焼いている証拠だった。姉はまた、近いうちに二階堂先生の所へ駆け込むことになるだろうと、わたしは思った。
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それゆえ、敵はわれわれの失敗を嘲笑するに充分な理由を持っていたのだ。そんな状態には手を焼いた、などという言葉は、婉曲な表現というものだ。それだからこそ、わたしは徹底的調査をするためだけでなく、ゾダンガ暗殺ギルドに吠え面をかかせてやろうとして単身のりこむ決意を固めたのである。
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無難軍団の兵士に施明という者がおり、官物盗難の疑いがかけられていた。施明は勇猛な性格であったため、口を割ろうとせず廷尉の手を焼かせた。そこで孫権は兵士の心を掴むのが巧みな陳表のことを思い出し、陳表に自由な方法で取り調べることを任せた。
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こいつは厄介な患者でして、おとなしくさせておくのに手を焼きましたね。長いあいだ、アザミしか食べようとしなかった。
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寒すぎる地方は冬になると水の確保に手を焼くことになる。雪が降るのに水に困るとは皮肉だな、と思ったものだ。
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信長が、いかにこの間を、焦々思っていたことかは、今、その譴責状となってから、初めてみな、 「ごもっとも」 と、思い当った。相手は、十一年余も、信長自身ですら手を焼いて来た門徒の本拠である。これが佐久間勢の一手で陥ちなかったからといって、ただそのことのみでは、そう責めもしまい。
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心臓が破裂しそうな程激しく動いていた。体の苦しみより、勇吾は道を間違えたのではないかという恐怖に手を焼いた。しかし、後戻りは出来ない。
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それは丈夫な子どもだった。今ではしきりと動き回るようになって侍女たちに手を焼かせている。この子が将来、王冠を戴くことになるのかどうか、ポーラにはわからない。
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政府としてもご承知のような民間の講和条約反対運動に手を焼いている際です。このうえ帝大教授の騒ぎが激しくなっては、世間に対して火に油を注ぐようなものですからな。
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これは幕府が蔭で赤穂浪士団に暗黙の支持を与えていたという俗説の根拠として用いられている。ともかく幕府は近所迷惑を何とかしてくれという抗議殺到に手を焼いていた。何はともあれ、都心から追っ払ってしまえ。
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いわゆるシットコムのテレビドラマ。手を焼きたがる母親と兄弟および弟の息子を中心に描く。
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「手を焼くなよ」 これが、この出陣に際しての、信長の自戒であった。あいては一向宗の僧団や各地に散在する宗徒の寄り合いである。
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それは確かにキャシーも、私がこれまで手がけた子どもの中にも見たことのないほど癖の多い子でございました。一日に五十ぺんはおろか、それ以上も、私どもみなに手を焼かせます。朝起きて来たときから夜寝るときまで、一分間も嬢さんのいたずらがやんだと思って気を許せるときがありません。
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