手ばしこい

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  • 半蔵は自分でも丸はだかになって、手ばしこく父の背中を流した。 島崎藤村『夜明け前』より引用
  • たまに見る息子は非常に利口に、手ばしこく、物分りがよく見えた。 宮本百合子『栄蔵の死』より引用
  • 手ばしこく働く用意をするのだ。 森鴎外『ファウスト』より引用
  • 手ばしこく針を動かしているお島の傍へ来て、せわしいなかを出来上りのおさめものを取りに来た小野田はこくりこくりと居睡をしていた。 徳田秋声『あらくれ』より引用
  • お勢は笑い出しそうな眼元でじろり文三の顔をかすめながら、手ばしこく手で持っていた編物を奥座敷へ投入れ、何やらお鍋に云って笑いながら、面白そうに打連れて出て行った。 二葉亭四迷『浮雲』より引用
  • 丸髷まるまげに、薄色のくしこうがいをさしたお増は、手ばしこく着物を着てしまうと、帯のあいだへしまい込んだ莨入れを取り出して、黙って莨をすいながら、お今の扮装つくりの出来るのを待っていた。 徳田秋声『爛』より引用
  • 急いでその平袴ひらばかまをはいて、ひもも手ばしこく、堅く結んだ。 島崎藤村『夜明け前』より引用
  • チタニア 夫がすねたり、女房がおこったりすると見たら、 手ばしこくつかまえて、 男は南、女は北の 空のはてへ連れてくがい。 森鴎外『ファウスト』より引用
  • そして手ばしこくコルセットをはめたり、ようやく着なれたペチコオトを着けたりした。 徳田秋声『あらくれ』より引用
  • 「こんなものはバスケットがいいんでしょう」お絹はそこにあった空気枕や膝掛けや、そうした手廻りのものを、手ばしこくまとめていた。 徳田秋声『挿話』より引用
  • 千登世もはっきり目がさめたらしく、手ばしこく明かりをつけ、着替えを済ませた。 杉本苑子『大江戸ゴミ戦争』より引用
  • 少女と二人、手ばしこくととのえたらしい。 杉本苑子『今昔物語ふぁんたじあ』より引用
  • 俊助は手ばしこく編上あみあげの紐をからげると外套を腕にかけたまま、無造作むぞうさに角帽を片手につかんで、初子のあとからくぐり門の戸をくぐった。 芥川竜之介『路上』より引用
  • 女は手ばしこく門をとざした。 幸田露伴『雪たたき』より引用
  • 俊助は手ばしこく編み上げのひもをからげると外套がいとううでにかけたまま、無造作むぞうさ角帽かくぼうを片手につかんで、初子の後からくぐり門の戸をくぐった。 芥川龍之介『舞踏会・蜜柑』より引用
  • 母親はその間に、結城縞ゆうきじまの綿入れと、自分のつむぎ衣服きものを縫い直した羽織とをそろえてそこに出して、脱いだ羽織とはかまとを手ばしこく衣紋竹えもんだけにかける。 田山花袋『田舎教師』より引用
  • すると、おかあさんやぎが、あとから、ちょっちょっと、手ばしこく、もとのようにぬいつけてしまいました。 グリム・ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール『おおかみと七ひきのこどもやぎ』より引用
  • 手ばしこく洋服を着た。 水野葉舟『遠野へ』より引用
  • そこでお隅は無地の羽織を選び、藍微塵あいみじんの綿入れ、襦袢じゅばん、それにさらし肌着はだぎまでもそろえて手ばしこく風呂敷ふろしきに包んだ。 島崎藤村『夜明け前』より引用
  • 手ばしこく鍬を洗い、馬糧を作った。 有島武郎『カインの末裔』より引用