態をなす

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  • 六月にはいっての戦闘は、すでに戦争の態をなしていなかった。 保阪正康『東條英機と天皇の時代(下) 日米開戦から東京裁判まで』より引用
  • 問う人も、答える人も無意識に含糊がんこたいをなして物を言うようになったのである。 森鴎外『雁』より引用
  • ようするに正面から見ると、逆三角形のていをなしているのである。 原田宗典『東京困惑日記』より引用
  • 仲達も断りあぐねたていをなして、それでは一応お預かりしておくと答えて受け取った。 吉川英治『三国志』より引用
  • 之に較べて著しく一応の態をなしているのは赤松克麿氏の書いたパンフレットである。 戸坂潤『世界の一環としての日本』より引用
  • 芸術家なればこそ、人眼めだたぬ服装風態をなし、作品にこそアッと驚くものを織りこむべきではないか。 遠藤周作『ぐうたら交友録』より引用
  • 新羅は、この斯蘆国が発展して基盤となって、周辺の小国を併せて発展していき、国家の態をなしたものと見られている。
  • その後、頼長は周囲と衝突を繰り返す問題児の態をなす。
  • 作家の個人美術館の態をなしたもの、公的な資料収集として設置されたものなど、さまざまな形態、意図によるものが混在している。
  • これが家族だとすると、まことに支離滅裂で、一人として家族のていをなしていないようにも思えますが、私はもともと見境いがないし、出鱈目でたらめなのです。 色川武大『恐婚』より引用
  • 本識・染汚意・阿頼耶識が同時に対象に向かって働く時は、この全体が1つの主体を構成して、そこに意識の統一態をなすので、これを一本識といい、同様に意識識とは、意識と五識とが同時に対象に向かって働く時は、この六識が1つの統一体として働くことを意味しているのである。
  • 西チャガタイ・ハン国では多くの有力部族が地方に割拠したためにハンの権力は早々に喪失し、各地に分領を持つ有力な遊牧貴族による群雄割拠の態をなす。
  • 次に陰性の人は蝉殼蛇蛻の相を現じ、陽性の人は飄葉驚魚の態をなし、中性の人は前の二相を共に交へ現はす。 幸田露伴『努力論』より引用
  • 「たいしたことじゃないんです」と、Kは言ったが、それによって前の、それだけでもすでにていをなしていない言い訳をいよいよまずいものにした。 原田義人『審判』より引用
  • 大きなきりの紋付を彼は常用していたが、夜はそのまま寝てしまうのではないかと疑われるほど、それはよれよれで古びてきたなく、もう幾年も水を通したとは見えず、つまり紋服のていをなしていなかった。 有吉佐和子『華岡青洲の妻』より引用
  • この短歌は余り細かく気を配らずに一いきにいい、言葉の技法もまた順直だから荘重に響くのであって、賀歌としてすぐれたたいをなしている。 斎藤茂吉『万葉秀歌』より引用
  • 克明にノートにとってみると、それは断片的ながら、ひとつびとつが短い物語の態をなしてい、さながら睡りの井戸の底から吹きあげてくる冷たい黒い風めいて、彼の陥ち込んだ夢魔の世界をかつがつに伝えていた。 中井英夫『とらんぷ譚』より引用
  • その屋内は複雑多岐にわたり、廊下は部屋ごとに折れ曲って、さながら迷路の態をなしている。 池宮彰一郎『その日の吉良上野介』より引用
  • 湖水こすいはこれまでの清澄せいちょうかがやきを失って粘度ねんどの高い廃液はいえきたいをなし、細波さざなみ重苦おもくるしい静寂せいじゃくくっするかのようになりをひそめた。 亙重郎『電脳戦機バーチャロン FRAGMENTARY PASSAGE~断章~ White Freet VCa3』より引用
  • 手をもつて推とこうと二様の態をなし、覚えず当時京兆けいちよういんなりし韓退之かんたいし輿こしに衝突し、詰責せられて実を以て答ふ。 会津八一『自註鹿鳴集』より引用