想い浮かべる

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  • 眼を閉じ、静かな呼吸を繰り返して、心の中に月を想い浮かべる。 夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三』より引用
  • こう指摘されたからといっても、何も軍隊に召集されて中国侵略に狩り出されるシーンを想い浮かべる必要はない。 夢野久作『ドグラ・マグラ』より引用
  • 私が都会を想い浮かべるごとに私の「疲労」は絶望に満ちた街々を描き出す。 梶井基次郎『冬の蠅』より引用
  • あの家庭教師の疲れたような孤独な顔を想い浮かべるときだけ、祐美の胸に安らかなものが流れる。 菊地秀行『妖戦地帯1 淫鬼篇』より引用
  • 「ひどい人間もおるもんやねえ」と誰かが言ったのを、彼はいつでも、あの男を想い浮かべるたびに思い出す。 中上健次『岬』より引用
  • 少女の生命の尽きんとするときに想い浮かべるのが、母親ではなく祖母であった悲しさが、よけいに読む者の涙を誘うのである。 中村希明『怪談の科学―幽霊はなぜ現れる』より引用
  • どこかにひそんでいて、いつかことにれ機に接して、何人なんぴとにも聞いたこともないことを想い浮かべるのは、よく各人の実験し、また他人についても見聞することである。 新渡戸稲造『自警録』より引用
  • そういう光景を想い浮かべると、自分の財布と気力の欠乏とがつくづく感じられた。 ジョイス/飯島淳秀訳『ダブリン人』より引用
  • つまり、その絵を見ている人間は、ある瞬間には燭台なら燭台、横顔なら横顔の、どちらか一方のイメージしか想い浮かべることができないんだ。 竹本健治『匣の中の失楽』より引用
  • 有里は、あんなに嬉しそうにしていた比沙のことを想い浮かべると、すっかり気が動転してしまい、これからいったい何をしたらいいのかさえ判らなくなってしまった。 平岩弓枝『旅路(上)』より引用
  • ガードナーの名は知らなくても、ペリイ・メイスンの名は、テレビの裁判場面ともに、即座に想い浮かべる人がすくなくはないと信じて疑わない。 ガードナー/能島武文訳『義眼殺人事件』より引用
  • ギリシア系というとき、人々がまず想い浮かべるのは、たぶん床屋の職人であり、下級船員である。 本田靖春『ニューヨークの日本人』より引用
  • 眠れなくなると私は軍艦の進水式を想い浮かべる。 梶井基次郎『冬の蠅』より引用
  • 例えば、性的行動は一人でも成立するが、その場合、性的な空想に耽って性的興奮を楽しむとか、また自慰などを行うとき、男性なら特定の女性アイドルと抱き合いまた性交しているイメージを想い浮かべるとか、あるいは女性なら花の咲く苑でロマンティックな情景を想像するなどの形で、嗜好が具体性を持つ。
  • その後、ヨーロッパにおいてはもっぱらキリスト教が発展したので、ヨーロッパ諸語の "Meditation" とはキリスト教のそれを指し、神、イエス・キリスト、聖母マリア等を心の中でありありと想い浮かべることを、意味するようになった。
  • 念仏といっても、口で唱える念仏ではなく、ひたすら阿弥陀仏と阿弥陀浄土を想い浮かべる観想の念仏で、平安時代に貴族が競って寺に寄進し、阿弥陀堂を建てては来迎らいごう図を描かせていたのはこの源信の浄土論によっているのである。 竹内久美子『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本のこころ』より引用