息を吸うたび
17 の例文
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こうして膝をついていても、息を吸うたびに意識が落ちかける。
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息を吸うたびに持ちあがる顔は、すぐにまたがくりと落ちた。頬がふくらんでは、半分開いた唇から音のいいいびきがもれてきた。
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こどもが、そんな家のなかで息を吸うたびに悪性のばい菌でいっぱいの空気を呼吸することになる。
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遠い山なみが月かげのなかにボーッと溶け、黒いビロードのような谷々の影は濃く、その美しさは自分の胸に喜びをかきたててくれるようだ。息を吸うたび、つくたびに、安らぎと慰めがそのなかにあった。とそのとき、ふと自分の目が、なにか階下のあたりでチラチラ動いているものを捕えた。
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そんな僕と円町君を男たちは荒い吐息をつきながら、公園のトイレに運びこんだ。僕の息も男たちと同様に荒いのだが、それよりも息を吸うたびに肋骨が痛んで、ひどく胸苦しい。僕は水洗便器に顔を押し込まれた。
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最初の給仕が無表情になみなみとグラスに注ぐと、三人はしゃべりながら部屋から出ていった。むこうの隅で、例の男が息を吸うたびに、かすかにいびきを立てながら、壁に頭をもたれて、まだ眠っていた。マヌエルはブランデーを飲んだ。
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息を吸うたびに肺に走る、刺すような痛みでレレナは目覚めた。意識が水面上に浮上してくると、たちまち全身にまとわりつくような寒さが襲ってきて、レレナは思わず、 「っくし」 ずるるるる、と鼻に手を当て、薄暗さに目を凝らし、あたりを見回して考える。
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東京のようにねっとりと肌にへばりつくような暑さではないにしても、湿気をおびた暑い空気が息を吸うたびに肺を内側から熱くしていくようだった。綾人はあえぎながら薮を進んだ。
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しかしその前にシャツをやぶき取ってあったから、二発のうちの一発がどこに当たったのかがよく見えた。じいさんは十二回ばかり深ぶかと息をしたが、息を吸うたびに、聖書ごと胸が持ちあがり、吐き出すごとにそいつがさがった。
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そして、こちらに背を向けたまま、上がり框に腰をおろした。息を吸うたびに背がゆれた。そうして、エリンは長いこと黙っていたが、やがて、ぽつ、と言った。
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喉がぜえぜえ鳴っていた。息を吐くよりも吸うのが困難だと見えて、軽いしゃっくりのように力を入れて息を吸うたびに、眉根が顫える。半びらきになった唇の間から、動かなくなった舌の先が乾いた小石のように見えていた。
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走る訓練などしたこともなかったので、わたしは、いまにも息がきれてしまいそうな気がした。息を吸うたびに、咽喉がぜいぜいと鳴り、脇腹にナイフを突き立てられるような痛みを感じた。
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それに類似したものによって意識を、その男女の行為に合わせ、鼻ですと電波によって意識をそこに集中させ、フラッシュに類似した方法によって閃光がですね、二十二回パッパッと意識させられる。その二十二回が突然ストップ状態になり、その言葉に関連して自分が息を吸うたびに、逃げられないつらい立場に追い込まれる。さらに電波が強制的にメソメソさせたり、苦しい状態を持続させたりする。
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打撲傷を負ったのかもしれない。息を吸うたびに激痛が襲ってくる。ひょっとしたら肋骨を折られたのかもしれない。
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刺すような寒気が、さらにきびしくなってきた。息が苦しくなり、はげしくあえいで息を吸うたびに、肺にながれこむひえきった空気があいくちのように感じられた。エイロヌイは、寒さと極度の疲労のために泣きだしそうになっていた。
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それもよくわからないまま、ただそう思った。息を吸うたびに花の匂いが強く薫る。花びらを一つ拾い、ハンカチに包んで帰った。
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