恥を知らぬ
18 の例文
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いくら人が嗤おうと、恥を知らぬ面の皮には、痛くも痒くもあるまいに。
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智恵なきの極みは恥を知らざるに至り、己が無智をもって貧窮に陥り飢寒に迫るときは、己が身を罪せずしてみだりに傍の富める人を怨み、はなはだしきは徒党を結び強訴・一揆などとて乱暴に及ぶことあり。恥を知らざるとや言わん、法を恐れずとや言わん。天下の法度を頼みてその身の安全を保ち、その家の渡世をいたしながら、その頼むところのみを頼みて、己が私欲のためにはまたこれを破る、前後不都合の次第ならずや。
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模倣が程度のものであることも知らない、剽窃が盗賊の親類であることも知らない。どだい、こういう恥を知らぬ化け物国に、大きな精霊の生れた例があるか。伝うるところによると、机竜之助なるものは、もはや疾うの昔に死んでいるそうだ。
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丞相は奸悪にして恥を知らぬ者なれば、目的のためにいかなる非道をもなすでありましょう。まして今回の件は、張枢密が深く関与しておりますれば、宋軍が分裂して相撃つの恐れさえございます。
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私だって自分の身は可愛いから、そんな事情を知ればことを斜めに眺めて過ごした方がましかと思いもしたが、最後にきてああこれは駄目だ、とても見過ごしには出来ないと思いました。大胆というか恥を知らぬというか、あの男はいったい自分をなんと思っていたのでしょうか、相手もあろうに天皇陛下の財産をかすめとったんですからね。自分が農林大臣在任中にその職務権限を行使して那須の御用邸に隣接した広大な国有林を払い下げして、それが転々と転がされた挙げ句に、その内のおよそ十八万坪をある会社が購入した。
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グレンダワーともつひに戦を交へず終ひだつた、良く聴け、グレンダワーを敵として戦へる位なら、悪魔との一騎打を見せてくれもしたらう。お前は恥を知らぬのか?
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自分はその朝日の記事を知らない。しかし元來自分が廢嫡の權利を持つてゐない限り問題となる可き事柄で無いから、我が父の談話といふのも勿論恥を知らぬ記者の捏造したものに違ひない。けれども、その記事を讀む人間の數を思ふ時、自分は平然としてゐられなかつた。
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ゴーリキイといえば「どん底」と応ずるくらい世界に知られた傑作であるが、この戯曲の成功によって得た金で彼は「ズナーニエ」というペテルブルグの出版書肆を買いとった。恥を知らぬツァーの政府の言論と出版の自由の抑圧に抵抗する進歩的な書肆が必要であったためである。一九〇四年のメーデーは、日露戦争開始によって特別の意味をもつものであるが、その時のビラを書いたのは外ならぬゴーリキイであった。
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それから武器についても。もし貴下にして恥を知らざる卑劣漢であれば、憲兵を差し向けてわたしを捕縛するも可能であります。
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こいつら、江戸っ子の皮をかぶった江戸っ子ではあるまい、他所から流れ込んだ江戸っ子の居候共だろう。山猿や、百姓共が、ガツガツしてこのザマなんだ、少なくとも、二代、三代、江戸の水を飲んだ奴に、こんな恥を知らぬ奴はないはずだ。面を見てくれよう、面を見ればわかる、江戸っ子の面よごしめ!
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吾等薩摩隼人に、拷問をかけて問うなどと、恥を知らぬかっ。おのれが拷問にかけられると、ふるえあがるから、吾等も白状するかと、ははははは。
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「俺は遊ばない」と称して、蔭で遊ぶのは偽善であらう。しかし、恥を知らぬ、自堕落な連中が、どこ迄も只道楽を道楽として臆面もなく下等に馬鹿話を吹聴し合つてゐる時、一人沈黙を守るのは偽瞞でもなければ衒る事でもない。
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「おまえは何と心の狭い人間なのじゃ」 広目天が歯を軋らせる。「おまえは恥を知らぬのか」 増長天が睨む。
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それでも、やさしさの興奮とはちがって、ずっと激しく鋭い、だが、その瞬間は、もっとのぞましい、刺しつらぬくような官能の興奮に何度も貫かれたのだった。男のなすままにまかせていると、少しこわかったけれど、差恥を知らぬ官能がコニーを根底からゆすぶりあげ、コニーの最後のおおいを剥ぎ取って、コニーをちがった女に変えた。これは愛ではなかった。
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しかし、それは私の知りぬいていることで、遠まわしにもその話を要求して彼女に恥をかかせる必要はない。時計を取り返したという話も、じつに破廉恥で卑劣で、泥坊根性で、悪党の恥を知らぬ悪辣さが見えすいている。彼女は私をいつまでも窓ぎわへ立たせておいた。
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ところで、ある事柄をこれほどまで見抜いていながら、その事柄に画して、嫌悪と悲痛に心がみたされないとは、どうして考えられるでしょう。恥を知らぬ子供や、厚かましい無遠慮者の無智を、称揚と怪しからぬ美の礼讃とでもって、是認し鼓舞し権力づけるというのは、それは罪悪です。なぜなら、そういう無智は、悩みとは縁のない、解脱とはなおさら縁遠いものだからです。
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およそ世の中に無知文盲の民ほど憐れむべくまた悪むべきものはあらず。智恵なきの極みは恥を知らざるに至り、己が無智をもって貧窮に陥り飢寒に迫るときは、己が身を罪せずしてみだりに傍の富める人を怨み、はなはだしきは徒党を結び強訴・一揆などとて乱暴に及ぶことあり。恥を知らざるとや言わん、法を恐れずとや言わん。
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