怯懦
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219 の例文
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先鋒軍が入京してその安全が保証されてから出発しようとしていたとしか思われない。これはおよそ武将として恥ずべき怯懦な態度と言うべきであろう。
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自分が若し、妄想家ユッベェル伯父さんの出鱈目を告げたりしたら、画家は噴き出して笑うだろうと。それに彼は、自分が友の目に怯懦者として映りはしまいかと怖れた。何故ならば一旦開戦の場合、ベルサンは勇躍して出征したであろうと思われたからである。
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人間、反省という言葉は決して自身を考えるほど正直なものではない。しかしそれかといって、一切を簡単に怯懦と割切ってしまうことも正直でない。これは自家告白的に真実をいうことは不可能である。
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強い意志がお延の身体全体に充ち渡った。朝になって眼を覚ました時の彼女には、怯懦ほど自分に縁の遠いものはなかった。寝起の悪過ぎた前の日の自分を忘れたように、彼女はすぐ飛び起きた。
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ああ迷信か死か。真に生きんとするものはこの両者の一を肯定することに怯懦であってはならない。私はただなぜとも知らず私がかくまで熱烈にまた単純に恋愛に没入し得る権利があると感ずるのである。
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君は、その様な意味で怯懦であり、その様な意味でインチキであるのだ。そして君以外の苦楽座同人諸氏、それから新劇くずれ俳優の中の或る者達、それから今の世に時めいているスタア格の俳優達の殆んどすべてが、そうである。
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屈辱にせよ、慰安にせよ、僕の冷静な魂の鏡は、これらに曇らせられてはならない。すべての怯懦のさ中に凝然と身を固め直立して歩かなくてはならない。こうして僕に課そうとした筋書。
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光國はそう信じた。聞きたくなかったが、聞かねば一生、己の怯懦に打ちのめされることになる。
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それは時にあるいは有閑階級にのみ可能な非実践の実践として、すなわち搾取者の奢侈として特性づけられ得るであろう。あるいはまた怯懦な知識階級の特色としての現実逃避であるとも見られるであろう。しかしこれらの観照は「悠々たる」観の世界を持つものとは言えない。
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同じレベル9のイエロー・レディオは、まだ配下が十人も残存していたにもかかわらず、躊躇なく遁走したのだ。その判断が怯懦に由来するものとは絶対に言えない。クロム・ディザスターはもう尋常なバーストリンカーではない。
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血をもって得られるものを汗をもって得ることは、怠惰、怯懦と考えられている。
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人間としての矜持ある逞ましい美しいものをそこに見出し得ないとするならば、それは怯懦の故であろう。そして怯懦は遂に真の自由をも建設をも知らずに終るであろう。
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憤然と憤りが込み上げて来た。己の怯懦のために兵を殺したのと同じである。入鹿は木枯しに負けないように激しい息を吐きながら、刀を土に突き刺した。
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こうして私は生の深秘をつかむと信じながら、常に核実を遠のいていたのであった。それゆえに私は真の勇気を怯懦と感じ、真の充溢を貧弱と感じた。それゆえに私は腐臭を帯びた人間を価値高きものとして尊敬した。
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遮蔽物が役に立たない状況では、指を曲げるだけの拳銃のスピードに対抗することは難しい。だが幹比古は、そんな、合理的な不安を怯懦として思考から排除した。昨日のことが脳裏を過ぎった。
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私の自滅すべかりし時は来ている。私は戦うに怯懦であり、また時機を失したとはどうしても思えない。私は戦い敗れた。
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むかし淮陰の少年が韓信を侮り韓信をして袴下を匍伏せしめたことがある。市の人は皆韓信の怯懦にして負けたことを笑い、少年は勝ったと思って必ず得々としたであろう。しかし今日は当時勝ったという少年の名を知れる者がはたしてあるか。
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