忽然と存在

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  • 神の御手から零れ落ちた不毛の地が、ここ流離の地のはずだったが、実際のところ、不毛の地の直中に忽然と存在する緑野こそが丘で、美しく整えられた丘そのものが荒野に落ちた神の奇蹟のように思われた。 小野不由美『屍鬼(上)』より引用
  • 燦然さんぜんたる太陽や、ほとんどにしみるばかりの紺碧こんぺきの海や、潮の甘い香りが忽然こつぜんと存在しなくなり、無数に生えているココ椰子やしの輪郭さえも闇にみこまれてしまうんだ。 森瑤子『彼と彼女』より引用
  • 地中海クラブのリゾートというのは、どこもがたいていそうなのだが、バスに揺られて延々といくと、ジャングルの奥とか、砂浜の果てとか、そうでなければごくありふれた平地の途中に、忽然こつぜんと存在する別天地である。 森瑤子『ママの恋人』より引用
  • マレーシアのこんな奥まったところに、まるで砂漠のオアシスか、蜃気楼しんきろうのように忽然こつぜんと存在する、ヴァカンス村の不思議さ。 森瑤子『ジンは心を酔わせるの』より引用
  • 最盛期には銅山で働く従業員数が1200人にのぼり、山間に忽然と存在する吹屋集落のベンガラ格子と石州瓦による赤褐色の重厚な商家の町並みが昔日の繁栄を象徴している。