忽焉

全て 副詞
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  • と、泣いて独語したが見る間に、少年は忽焉こつえんとして消え失せたという。 佐藤垢石『支那の狸汁』より引用
  • 真にこの瞬間、忽焉こつえんとして彼は自己の力と自己の理知とを感じとった。 ルブラン/保篠龍緒訳『813(下)(ルパン・シリーズ)』より引用
  • 手をたたけば盃酒忽焉こつえんとして前にで財布をたたけば美人嫣然えんぜんとして後に現る。 正岡子規『旅の旅の旅』より引用
  • それでなければ、或る夜忽焉こつえんとして敵艦船の蝟集いしゆうする沖縄島が陥没するであろう、というのだ。 島尾敏雄『出孤島記』より引用
  • いや、ほんとうはこうして二人から離れ、私ひとり窓のそとの景色に忽焉こつえんとしているというのは、そのときのわが姿を、なん年振りかで眼に描いて、なつかしみたかったからである。 佐藤垢石『酒徒漂泊』より引用
  • 以来、とうとう先生には二度とお目に掛からぬまま、先生は忽焉こつえんとして昇天してしまわれた。 林望『書薮巡歴』より引用
  • そうして、その言葉どおり、レノンは何の脈絡もなく、忽焉こつえんとして死んでしまった。 林望『テーブルの雲』より引用
  • まことにそれは忽焉こつえんとして先の日消えてなくなったむっつり右門で、右門は伝六のうれし泣きに泣いている姿を静かに見おろすと、涼しそうにいいました。 佐々木味津三『右門捕物帖』より引用
  • だがイデオロギーのこの規範性・価値性・は何か不可解な神秘力によって忽焉としてイデオロギーの上に天下ったのではない。 戸坂潤『現代唯物論講話』より引用
  • ついに非望のげられないことをさとった紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったにちがいない道義的慚愧ざんきの念が、この時忽焉こつえんとして湧起わきおこった。 中島敦『名人伝』より引用
  • と、またしても忽焉こつえんとして怪物が姿をあらわす。 ルブラン/保篠龍緒訳『813(下)(ルパン・シリーズ)』より引用
  • そして、阿部先生は忽焉こつえんこの世を去られ、この種の組織的研究者養成も、総合的編纂事業も、その後はさっぱり行われなくなった。 林望『書薮巡歴』より引用
  • ところが僅か半歳を経ぬうちに、老臣は病死し、一夜忽焉こつえんと彦丸は邸を出奔して消息を絶った。 五味康祐『十二人の剣豪』より引用
  • 竟に非望の遂げられないことを悟った紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったに違いない道義的慚愧ざんきの念が、この時忽焉こつえんとして湧起わきおこった。 中島敦『李陵・山月記』より引用
  • 彼が今日まで黒暗々裡に、暗中模索に捕われていた迷宮に、忽焉こつえんとして一道の光明が現れたのを覚えた。 ルブラン・モーリス『水晶の栓』より引用
  • 本能寺の変があって、織田信長おだのぶなが覇業はぎようも、その人とともに忽焉こつえんとしてほろびた後、徳川家康は、織田信雄のぶかつたすけて、羽柴筑前守はしばちくぜんのかみであった秀吉ひでよしと対抗することになった。 柴田錬三郎『決闘者 宮本武蔵(上)』より引用
  • 竟に非望の遂げられないことを悟つた紀昌の心に、成功したならば決して生じなかつたに違ひない道義的慚愧の念が、此の時忽焉として湧起つた。 中島敦『名人伝』より引用
  • かくの如きときに際して、天災地変が忽焉こつえんとして起こり、国民に大なる警告と反省を促したことは、近代に始まつたことで無く、実に建国二千五百年の災変史の、黙示する所の大真理である。 出口王仁三郎『三鏡 『水鏡』『月鏡』『玉鏡』 kgm 2 20060303』より引用
  • これらの嗜眠しみん状態にとりつかれたような異国人たちとともに、彼らの先入観や必要が生みだした、このやわらかい、阿片をのみこんだようなヴェニスがやがて姿を消して、ある朝、ほかのヴェニスが忽焉こつえんと姿をあらわす。 リルケ/星野慎一訳『マルテの手記』より引用
  • 竹中半兵衛が、忽焉こつえんとして、秀吉の前から姿を消したのは、本能寺において、明智光秀によって信長憤死ふんしの急報がとどいた時であった。 柴田錬三郎『(柴錬立川文庫3) 柳生但馬守』より引用
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