忝ない

全て 形容詞
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  • 金三郎はおどろいて、お志は忝ないがそれはいけません。 久生十蘭『顎十郎捕物帳』より引用
  • 帝国政府はかたじけなくも、儀式完了の後に写しの像が軍隊の護衛のもとに帝都に運搬せらるべきことを承認している。 フーリック/大室幹雄訳『中国黄金殺人事件』より引用
  • そんな劉備の血迷った男気を見てしまった民衆はありがたさ、かたじけなさに涙をこぼすしかなかった。 酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』より引用
  • 国家の為に自重せい、と僕の如き者にでもさう言うてくるるのはかたじけないが、同じ筆法を以つて、君も社会の公益の為にその不正の業をめてくれい、と僕は又頼むのじや。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • 自分が松沢病院の院長から聞いたところによると、かたじけないことに、光栄なことに、学士院賞の候補にまでのぼっているということだ。 北杜夫『楡家の人びと (下)』より引用
  • 楼主そなたの心入れは重々かたじけないが、さればというてこのまま手を引いてしもうてはこっちの心が一つも届かぬ。 夢野久作『名娼満月』より引用
  • 武則えびすの卑しき名をもちて、忝なく鎮守府将軍の名を汚せり。
  • だが、彼の詩文を読んでも、たとえば息子の鋳が十五歳になったときに与えた詩に、「忝なくも位は人臣を極め」とあるように、彼がモンゴル政権の中枢にいたことはたしかである。
  • その間に牧羊人大願成就かたじけないと、全然そっくりその金をぬすみ得た。 南方熊楠『十二支考』より引用
  • わたくしはこんな立派りっぱ神様かみさま時々姿ときどきすがたあらわして親切しんせつおしえてくださるかとおもうと、かたじけないやら、心強こころつよいやら、おのずとなみだがにじみました。 浅野和三郎『霊界通信 小桜姫物語』より引用
  • ありがとうともかたじけないとも言わない。 司馬遼太郎『国盗り物語』より引用
  • ああ、宮は生前においわづかに一刻のさきなる生前に於て、このなさけの熱き一滴を幾許いかばかりかはかたじけなみけん。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • 曙覧は一介の町人でありながら、春嶽公の恵みを受け、彼の藁家に藩主自らの来訪を忝なうしたほど、心の繁りがあつた。 折口信夫『橘曙覧』より引用
  • 今夜は、恒例の酒盛りを開き、親しき友人を多数招いてありますが、それに御出席下さるとは忝ない、珍客を迎へて、集ひの楽しみは一段と大きくなりませう。 シェイクスピア/福田恆存訳『ロミオとジュリエット』より引用
  • 中将の君面おもて色かはる心地して、恐ろしうもかたじけなくも、うれしくも、あはれにも、かたがた移ろふ心地して涙落ちぬべし。 円地文子『源氏物語私見』より引用
  • 鳥も通わぬ八丈が島へ本土の人が渡ると、天女の後胤てふ美女争うて迎え入れ、同棲慇懃いんぎんし、その家の亭主は御婿入りかたじけなや、所においての面目たり、帰国までゆるゆるおわしませと快く暇乞いとまごいして他の在所へ行って年月を送ると。 南方熊楠『十二支考』より引用
  • 「むしろ忝ない」と彼がこたえた。 久生十蘭『黒い手帳』より引用
  • いや、それは重々のお心添え、かたじけなく申し受けまする。 川上眉山『書記官』より引用
  • 早速参ってくれて、かたじけない。 直木三十五『南国太平記』より引用
  • はて、しからば、いづれもかたじけなうござった。 坪内逍遥『ロミオとヂュリエット』より引用