心がけてゐる

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  • いゝ作家はやはりさういふことを心がけてゐる。 岸田国士『既往文化と新文化』より引用
  • ところがさういふ基本的な感覚の訓練を現在の国語教育が心がけてゐないのは、それが安直な実用主義教育だからであり、過去から未来へと新しい生命を得ながらつづいてゆく連続体として国語をとらへてゐないからであり、さらには、単純な反古典主義の文学であつた日本自然主義の影響をじつに深く受けてゐるからである。 丸谷才一『日本語のために』より引用
  • そしてさういふ姿勢は、もともと彼女には習慣的のものではあつたし、それにまたかういふ瞬間にはそれが持つてこいであるのをよく知つてゐて、さうすることを忘れぬやうに心がけてゐたのであつたが、さういふ姿勢のままで彼女は自分の顏をスワンから離すために全力を出してゐるやうに見えた。 堀辰雄『プルウスト雑記』より引用
  • しかし謙虚に身をつつしみ、お役大事と心がけてゐます。 秋山加代『辛夷の花──父 小泉信三の思い出──』より引用
  • 自己の素養ができないうちに、金のみを渇望してゐる人間がよくあるが、さういふ人間に、持つだけの素養を人格に心がけてゐる者は尠い。 吉川英治『折々の記』より引用
  • 日本演劇の特殊性に興味をもつ人々が、この消息に多大の関心を示すだらうとは考へられないが、われわれは、われわれの特殊なものを誇示する前に、先づ、世界共通の文化の樹立を心がけてゐるのである。 岸田国士『現代日本の演劇』より引用
  • 僕はただそれだけを心がけてゐる。 芥川竜之介『文章と言葉と』より引用
  • しかし、近頃の西洋は何かにつけて世紀末趣味の復活を心がけてゐるやうで、たとへばビアズレーばやりなどすこぶる目につくから、案外これも一つといふことになつて、日本に習ひに来るかもしれない。 丸谷才一『食通知つたかぶり』より引用
  • たれか、自分で窯でももつて、自分で繪付けでもしようといふには、これはよい繪ツケ手本になると思ひ、やる人を心がけてゐるまに、疎開中、何かと一しよに、つツこんでしまつたものとみえる。 吉川英治『折々の記』より引用
  • 「神々のへど」の悲劇的な結尾のところに、「あをざめ切つた眼のふちは灰だみた濁りをながして、見樣によつて物すさまじい或る美しさを感じる」といふ一行がありますが、私は室生さんの書かれるすべての悲劇に、さういふ「物すさまじい或る美しさ」を感じるやうな見方からのみ、それ等を見てゆくやうにと心がけてゐます。 堀辰雄『「神々のへど」』より引用
  • けれど、それにしても、これから、たゞ一生懸命に勉強して、自分の持つてゐるものゝ芽をのばさうと心がけてゐるとし子に理解を持つてゐる彼なら、とし子の悉てをうち砕いても仕舞ひさうな、重荷の上に、更に多くの譲歩を強ひられる場合、もう少し位は、かばつてもくれさうなものと云ふ不平は、よくとし子の心に起つた。 伊藤野枝『乞食の名誉』より引用