得難いもの

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  • この極めて限られた定員のため、この勲章はなかなか得難いものとなっている。
  • そんな中で、綴り方連盟の人たちの輝く目は、竜太には得難いもののように思われてならなかった。 三浦綾子『銃口』より引用
  • 中世になり、仏の慈悲など貴重で得難いものを自分は得ているというところから、宗教的な感謝の気持ちをいうようになり、近世以降、感謝の意味として一般にも広がった。
  • 顔も心も美しいというのは得難いものだが、と道助は思い、仙太と二人きりになった時、 「お前はいい嫁をもらったようだな」といった。 柏原兵三『徳山道助の帰郷』より引用
  • そのためには大蔵省主計局次長である娘婿むすめむこの情報は、大介にとって得難いものであった。 山崎豊子『華麗なる一族 上』より引用
  • 生家にいても厄介者であり、これといって友人もいない保にとって、その場かぎりの金銭によるつき合いに過ぎないにしても、女との触れ合いは、得難いものであったろう。 本田靖春『誘拐』より引用
  • 得難いものの様に思つて居た子を見る喜びと云ふものと楽々目前もくぜんに近づいて居るのを思ふと、それはもう何程のあたひある事とも鏡子には思へないのであらう。 与謝野晶子『帰つてから』より引用
  • けれども、たしかに今の状況というか、この体験は、西洋美術史概論の聴講一回分よりは、得難えがたいものであることは明らかだ。 森博嗣『X 03 タカイ×タカイ』より引用
  • そして簡単な線で囲み平面を塗りつぶしたる描法によってよき単化が偶然にも行なわれてはなはだ得難いものもある。 小出楢重『油絵新技法』より引用
  • 牧水の旅の歌や紀行文に流れている澄明ちようめいで軽やかな哀愁は得難いもので、この歌などその上乗の風趣ふうしゆを感じさせる。 大岡信『名句歌ごよみ〔秋〕』より引用
  • 水と火をもって鍛えにきたえる刀作の術にあっては、その水と火に一家独特の精髄せいずいを遺した孫六専案の秘法は、じつにいくばくの金宝を積んでも得難いものに相違なかったろう。 林不忘『丹下左膳』より引用
  • そうしたお新さんの情は、空襲からこの世の手痛い人情に、気弱く涙もろく心を裂かれている私に、なににも増して得難いものだった。 藤原晋爾『秋津温泉』より引用
  • 幾江は終わりが近づくにしたがって表面化する佐々木の初心さ、善良さを、得難えがたいもの、失いたくないものと感ずる反面、しだいに物足りなさもつのってきている。 半村良『黄金伝説』より引用
  • けれども終生芸に捧げ殉ずるといふやうな激しい精進は得難いもので、ツボとかコツを心得てそれで一応の評価や声名が得られると、そのツボで小ジンマリと安易な仕事をすることになれてより高きものへよぢ登る心掛けを失つてしまふ。 坂口安吾『家康』より引用
  • まったく、仙人の才は得難いものじゃわい。 駒田信二『中国怪奇物語〈神仙編〉』より引用