往往

全て 副詞
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  • 彼等は往往空想によって未来をも現在と信じ、現在をも過去と信じたりする。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • たしかに古代の政治は、人を殺すことを、往往にして必要とした。 吉川幸次郎『中国の知恵』より引用
  • 聞こえてはいるが、往往にして言語中枢のほうが働かないのだ。 鳥飼否宇『中空』より引用
  • あの御家庭にはなかつたかも知れませんが、世間には往往子供に対する親の愛情に偏頗があつて、さういふ事も女姉妹の場合には非常に強くひびくやうに思はれます。 森田たま『もめん随筆』より引用
  • 犯罪被害者の立場に立った感情的批判による「人権屋」という概念は、往往にして、通常保護されるべき権利をも否定するものになりやすい。
  • この故に往往石器時代の脳髄しか持たぬ文明人は論争より殺人を愛するのである。 芥川竜之介『侏儒の言葉』より引用
  • 気分に対する感覚が鋭敏であるが故に、彼等は往往にして神経質だと思われ、怜悧だと思われる。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 嫌よ嫌よも好きの内などという文言は愚かしい雄共の傲慢から生じたモノであることは確かだが、しかし嫌嫌であってもついその気になってしまうということは、往往にして、矢張りあるのだ。 西尾維新『ニンギョウがニンギョウ』より引用
  • 私は自身に精神病者の血を引いているし、父が卒中でたおれたほどの大酒家であったので、自然に病的な素質を持っていて、或時期に往往はげしいヒステリイに襲われることがあるから、その若い妻が逆上して刃物を投げ附けたという心理を十分に想像することが出来るのである。 与謝野晶子『姑と嫁について』より引用
  • 哲人も往往にして詩を作る。 萩原朔太郎『散文詩・詩的散文』より引用
  • アメリカにおける先任権とは、その企業における勤続年数で決定され、レイオフ実施においては、原則先任権の低い労働者つまり往往にして入社したばかりの若者からレイオフされる。
  • 我儕は世を渡りて往往此種の草に出会ふ。 徳冨蘆花『草とり』より引用
  • なぜかと云うと、彼は学識の点に於いて、己に勝って居るにも拘わらず、芸術的感覚が己より遥かに鈍いために、美術上の議論を闘わすと、近頃は往往己に遣り込められる事がある。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 往往にして、路は、さし出た巨岩でさえぎられ、木を伐り渡してならべ、藤かずらでからんだ桟橋かけはしになっている。 柴田錬三郎『(柴錬立川文庫7) 毒婦伝奇』より引用
  • 行基のつくった「四十九院」はいまも畿内に残っているが、「諸道にも亦往往に在り」というのは、どこのどれかよくわかっていない。 金達寿『日本の中の朝鮮文化 12 陸奥・出羽ほか』より引用
  • 福善禍淫の説も往往此に至つて窮まるものである。 芥川竜之介『鴉片』より引用
  • しかるに役人がそのことには考慮をはらわず、秋になって年貢の取立てばかりに熱中するようであれば、農家は日日に窮地に追いこまれて、往往にして年貢を納めるのに滞りを来すことになるだろう。 藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(下)』より引用
  • 閑人が往往棋を囲み骨牌かるたを弄ぶ所以である。 福永武彦『第五随筆集 書物の心』より引用
  • 畿内にはおよそ四十九院、諸道にも亦往往またところどころに在り。 金達寿『日本の中の朝鮮文化 12 陸奥・出羽ほか』より引用
  • 然も詩趣饒かにして、坐ろにペラスゴイ、キュクロプスの城址を忍ばしむる堅牢の石壁は、かの纎弱の律に歌はれ、往往俗謡に傾ける当代伝奇の宮殿を摧かむとすなり。 上田敏『海潮音・牧羊神』より引用