彼の欲する

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  • 更にそれ以上の慾を云へば、いつでも彼の欲する時に彼女が彼に抱かれることだつた。 吉本隆明『悲劇の解読』より引用
  • 僕は金をやることはできる、が、これは、彼の欲するところでないじゃないですか。 チェーホフ/中村白葉訳『チェーホフ短編集「無名氏の話」』より引用
  • 彼の欲する所のものは、一本のペンと一枚の紙と一人の女と、たゞそれだけであった。 レニエ『燃え上る青春』より引用
  • 更にそれ以上の慾をいえば、いつでも彼の欲する時に彼女が彼に抱かれることだった。 横光利一『御身』より引用
  • アリストンはアゲトスに彼の欲するものを与えた後、アゲトスに彼の妻を要求した。
  • が、それは彼の欲する所ではなかった。 キェルケゴオル/芳賀檀訳『愛について』より引用
  • それは、同じ「価値」を持つ彼の欲する他の商品のどれとでも、その所有者が彼の持つ商品に対して「使用価値」を認めるか否とにかかわらず、交換しようとする。
  • ぜなら、それは彼の面前で踊る婦女たちの間から、彼は彼の欲する淫蕩いんとうな一夜の肉体を選択するに自由であったから。 横光利一『日輪』より引用
  • その意味での彼の欲する安穏とは、長屋住まいで小金があり、趣味的な仕事を持つ老人といった程度のことである。 山口瞳『人殺し(上)』より引用
  • しかし、彼の欲する行為を止める力は〈彼ら〉になかったのだ。 半村良『都市の仮面』より引用
  • もう少し心とからだの安息を与えて、思いのままに彼の欲する仕事に没頭させた方が、かえって本当にこの稀有けうな偉人を尊重する所以ゆえんでもあり、同時に世界人類の真の利益を図る所以にもなりはしまいか。 寺田寅彦『雑記(Ⅰ)』より引用
  • たとえ、ぼくが彼を認めないとしても、ぼくと彼とは、固く結びつけられていて、ぼくがどこにいようと何者であろうと、彼の人生が終わるまで、彼の欲するように欲し、感ずるように感じて、喜びも悲しみも共にしなければならないということは、わかっていた。 ウェルズ/赤坂長義訳『月世界最初の人間』より引用
  • 彼の欲する安穏とは、決して、だいそれた願いではない。 山口瞳『人殺し(上)』より引用
  • ことに彼にとって好ましかったのは、マリ子を傍近く呼んで、他愛のない話をしたり、そのはてには思切ったたわむれを演じてみるのだったが、マリ子はどんなひどいことにも反抗しないで、あらゆる彼の欲するところに従った。 海野十三『西湖の屍人』より引用
  • いかに寛大な、いかに好人物のKでも、己が彼に対して法律上の詐欺を働き、おまけに其の事件が法廷へまで担ぎ出されてしまっては、彼の欲すると否とに拘らず、世間の手前、己と関係を絶たざるを得なくなったのである。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 御承知の通り、私は殿様に一度しかお目にかからなかったが、バター、ミルク、チーズの諸氏、もしくは彼の欲する誰かへ宛ての為替を私に届けるようお願いせざるを得ませんでした。 モーツァルト/服部龍太郎訳『モーツァルトの手紙』より引用