平生
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名詞
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一言でいうと、彼は現在の自分について、私の批判を求めたいようなのです。そこに私は彼の平生と異なる点を確かに認める事ができたと思いました。たびたび繰り返すようですが、彼の天性は他の思わくを憚かるほど弱くでき上ってはいなかったのです。
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要するに敬太郎はもう少し調子外れの自由なものが欲しかったのである。けれども今日の彼は少くとも想像の上において平生の彼とは違っていた。彼は徳川時代の湿っぽい空気がいまだに漂よっている黒い蔵造の立ち並ぶ裏通に、親譲りの家を構えて、敬ちゃん御遊びなという友達を相手に、泥棒ごっこや大将ごっこをして成長したかった。
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医者に隠れて好きな物を買食したり、食慾の進むに任せて無闇に多食したりするようでは医者の尽力を無にしてしまう。患者自身も平生よく衛生の事に注意して自衛の道を知らなければならん。この外にまだ今の世には言語同断な悪弊がある。
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愛において絶対の融合を欲しながら、それを不可能にする種々な心の影に対してあまりに眼の届き過ぎる人である。そのため先生の平生にはなるべく感動を超越しようとする努力があった。先生は相手の心の純不純をかなり鋭く直覚する。
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陵のごとき変節漢と肩を比べて朝に仕えていたことを思うといまさらながら愧ずかしいと言出した。平生の陵の行為の一つ一つがすべて疑わしかったことに意見が一致した。陵の従弟に当たる李敢が太子の寵を頼んで驕恣であることまでが、陵への誹謗の種子になった。
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最初に肉が縮む、詰め込んだガーゼで荒々しくその肉を擦すられた気持がする、次にそれがだんだん緩和されて来る、やがて自然の状態に戻ろうとする、途端に一度引いた浪がまた磯へ打ち上げるような勢で、収縮感が猛烈にぶり返してくる。すると彼の意志はその局部に対して全く平生の命令権を失ってしまう。止めさせようと焦慮れば焦慮るほど、筋肉の方でなお云う事を聞かなくなる。
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平生の彼からはとても考えられないことを言ったり行なったりする。まるで、酒を飲むということは豪傑になることであり、豪傑とは女を苛めることだと思っているようだ。
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彼等は彼の法學士と同じく決して彼の二十六名に同情してはゐなかつたけれども、而してまた憎惡の感情を持つだけの理由を持つてゐなかつた。彼等は實にそれだけ平生から皇室と縁故の薄い生活をしてゐるのである。また彼等は、一樣にこの事件を頗る重大なる事件であるとは感じてゐたが、その何故に重大であるかの眞の意味を理解するだけの智識的準備を缺いてゐた。
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部屋の中には、何も平生と少しも変つたところがありませんでした。それにたつた一つお祖父さまの枕もとに吊されてあつたあの生きものの鸚鵡だけが、さうでせう、気がついて見ればその朝から、あんなに不吉なことを叫び始めたのです。
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だからいそいで平生つかつているレターペーパーを用いたと思つていい。見給え、このレターペーパーは相当贅沢なものだぜ。
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中国の最後の夜には、もっとどきどきするようなことが起こってもいい。親たちは反対に、平生と少しも変わらない夜であったと思いたがっていた。別れの晩の穏やかさが、あとに続く長い未知の旅の不安を打ち消してくれることを期待しているようだった。
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また「あまり別品でなあ」とも言った。しかしお佐代さんを嫌っているのでないことは、平生からわかっている。多分父は吊合いを考えて、年がいっていて、器量の十人並みなお豊さんをと望んだのであろう。
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私はこの地方にいるものではありません、東京の方に平生住っております。
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昔の武士は、千石について約三十人の兵を連れなければならない。平生から、それだけの人数とそれに必要な武器とを用意しなければならない。が武士が貧乏してしまふと、人を養ふことが出来なくなるし、持つてゐる武器も手放すわけである。
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こらへて居るだけに苦しみが強い。それを平生愛撫されてゐる我々が餘所目に見て居るといふことはない。一人が醉泣きしてさういつてゐる。
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もし旅先で報道するに足るような事が起ったら、君の所へ手紙を上げると。もし手紙が行かなかったら、平生の通りだと思って安心していると。
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繰返していうが、我々はこうして東京へ帰ったのである。東京の宅は平生の通り別にこれと云って変った様子もなかった。お貞さんは襷を掛けて別条なく働いていた。
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